2018 Fiscal Year Annual Research Report
協奏的な不斉情報伝達と階層的な不斉増幅を利用したキラル超分子の創製と応用
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17K14470
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
逢坂 直樹 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (80726331)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | らせん構造 / キラリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自己組織化能と自己の不斉を選択的に識別して自己組織化する自己不斉識別能を付与した動的ならせん分子・高分子を合成し、その超分子形成を介した相互的かつ階層的なキラル情報の伝達・増幅システムの構築とそれを可能にする分子設計指針の樹立、超分子構造の内部に生じるキラル空間を活用した不斉識別や不斉反応への応用を目指し、以下に示す成果を得た。 側鎖に官能基を有する4-アミノピペリジン-4-カルボン酸残基を組み込んだ動的ならせんペプチド鎖を導入したジサリチルアルデヒド誘導体を新たに設計・合成し、金属イオン存在下、ジアミンとの自己組織化の手法により、動的な面不斉を有するマクロサイクルを定量的かつ選択的に合成することに成功した。また、マクロサイクル部位から離れた位置に導入した光学活性なアミノ酸残基のキラル情報が、アキラルなペプチド鎖を介して長距離かつ階層的に伝達されることで、マクロサイクルの面不斉の遠隔制御にも成功した。一方、面性キラルなマクロサイクルに導入したらせんペプチド鎖が、溶媒の極性を変化させることで3残基で1巻の310-ヘリックス構造からα-ヘリックス構造へとヘリックス-ヘリックス転位を起こすことが分かった。さらに、かさ高いらせんペプチド鎖を導入することで、マクロサイクルの面不斉の反転のエネルギー障壁が著しく増大し、その結果、室温付近ではマクロサイクルの面性キラリティがほとんど相互交換しないことも明らかにした。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] ◯Itakura, M.; Nagasaka, A.; Taura, D.; Ousaka, N.; Yashima, E.Synthesis of a Double-Stranded Titanium(IV) Helicate Composed of Oligophenol Units and Its Reversible meso-racemo Conversion2018
Author(s)
Itakura, M.; Nagasaka, A.; Taura, D.; Ousaka, N.; Yashima, E.
Organizer
Chirality 2018 (ISCD-30)
Int'l Joint Research
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