2017 Fiscal Year Annual Research Report
四置換オレフィンの立体補完的パラレル合成と鎖状カテナンのボトムアップ合成法の開拓
Project/Area Number |
17K14488
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
仲辻 秀文 関西学院大学, 理工学部, 助教 (80751817)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 四置換オレフィン / (E)-, (Z)-立体補完的パラレル合成 / 多置換ジエン / 脱水型 Ti-Claisen 縮合 / ストロビルリンA |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,高い反応性・選択性を有するだけでなく,「環境低負荷」で「トータルでコストを削減」できる優れた特性を備えた有機合成反応の開発が「モノづくり」において高い注目を集めている.研究代表者は,天然物・医農薬品・機能性材料合成で汎用されるアシル化・スルホニル化反応の効率的な手法ならびに方法論とそれらを駆使した生理活性物質の短段階不斉全合成を行ってきた.本研究では,これら独自の手法をさらに発展させ,オールカーボン四置換オレフィンの簡便な立体補完的パラレル合成法の確立と鎖状カテナンの効率的ボトムアップ合成の開発ならびに医薬品・有機材料への応用への展開を目的とする.本研究が達成出来れば,様々な有機合成への寄与が期待できる. 萌芽となる実用的な多置換α,β-不飽和エステルの (E)-, (Z)-立体補完的合成法を既に報告している.本年度は,各種 (E)-, (Z)-四置換α,β-不飽和エステルの基質一般性の高い方法論を確立し,制癌剤Tamoxifen の初の (E)-, (Z)-立体補完的パラレル合成にも成功した(Synthesis, 2016, ChemistryOpen. 2016).なお,内容は,有機合成化学のハイライト誌(年間約 40 件)である Synform 誌(2017)に掲載された. さらに本合成法を応用し,これまで報告のない多置換ジエンの立体補完的合成法も確立できた.得られたジエンは,機能性材料への応用が期待できる. 一方,カテナン研究に関して,その基礎となる脱水型 Ti-Claisen 縮合を確立した(Adv. Synth. Cat. 2017).また,本手法を活かし,天然生理活性物質ストロビルリンA の短段階合成にも成功した.
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Research Products
(15 results)