2018 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of cell differentiation signal with oligonucleotide-based growth factor mimetics
Project/Area Number |
17K14512
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
植木 亮介 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (90755703)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 受容体 / 増殖因子 / DNAアプタマー |
Outline of Annual Research Achievements |
増殖因子は、細胞の分化や増殖などの機能を制御するタンパク質であり、現在の再生医療分野において大きな注目を集めている。例えば、ES細胞、iPS 細胞をはじめとする多能性幹細胞の培養では、培地に増殖因子を添加し、体細胞への分化誘導や未分化状態の維持が可能である。また、組織再生や創傷治癒などにおいても増殖因子による回復の促進効果があることが知られている。しかし、増殖因子には天然タンパク質質から構成されているために、熱的安定性の低さ、ロット間の活性差、多大な製造コスト等の欠点が存在し、これらを解決することは重要な課題である。特に増殖因子シグナルの制御に基づく幹細胞の分化制御技術は長寿・健康社会の実現に大きく貢献することが期待される。 本研究では、申請者らが開発した「増殖因子ミメティクス」を用いた幹細胞の分化制御技術への展開することを目指す。本年度は、前年度までに開発した塩基性線維芽細胞増殖因子の機能を再現する増殖因子ミメティクスの評価および幹細胞培養への応用を試みた。試験管内進化法によって取得された受容体結合性DNA配列を用いて、受容体活性化が可能ないくつかのアゴニスト分子の開発に成功した。これらを、iPS細胞のフィーダーフリー培養の添加因子として用いたところ、短期培養においてiPS細胞の未分化維持が可能である有望なアゴニスト分子の特定に至った(Chem. Commun. 55, 2672-2675.)。今後、このアゴニスト分子を基盤にした幹細胞分化シグナル制御技術への展開が期待される。
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