2018 Fiscal Year Annual Research Report
Charge dynamics in planar heterojunctions
Project/Area Number |
17K14527
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉井 康成 京都大学, 工学研究科, 助教 (30794268)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 有機薄膜太陽電池 / 過渡吸収分光法 / 電荷分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は高感度過渡吸収分光法により、構造が明確な電子ドナー/アクセプター界面における界面構造と電荷ダイナミクスの関係を明らかにすることを目的としている。 製膜方法を適切にコントロールすることで結晶性の高いヘテロ膜と結晶性の低いヘテロ膜を作製し、過渡吸収分光法によりヘテロ積層膜中に発生した電荷の生成・再結合ダイナミクスを解析した。その結果、高結晶性膜の電荷解離効率は75%であったのに対し、低結晶性膜では50%まで低下し、膜の結晶性が向上するほど自由電荷の生成効率が向上することが分かった。また、電荷分離は主に非緩和電荷移動状態の高速プロセスにより進行していることが分かった。このことから高速電荷分離プロセスには膜の結晶性及びそれに伴う電荷の非局在化が重要であることが分かった。 また、非フラーレン系の電子アクセプターを用いて電荷分離の競合過程である無輻射的対再結合の速度を調べたところ、ドナーおよびアクセプターの結晶性・凝集性が低下すると、無輻射失活速度が一桁以上速くなることが分かった。これは電荷の非局在化が無輻射失活の抑制にも寄与していることを示唆している。 さらに、自由電荷の二分子再結合機構についても検討したところ、膜の結晶性が向上するほど二分子再結合が抑制されることが分かった。これは、結晶性の高い膜では界面近傍のアモルファス性の高い領域と、ドメイン中心付近の結晶性の高い領域とでポテンシャル勾配が生じ、電荷が界面に近づきにくくなっているためであると考えられる。
|