2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K14531
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
儘田 正史 九州大学, 最先端有機光エレクトロニクス研究センター, 助教 (60625854)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 熱活性化遅延蛍光 / 有機トランジスタ / 有機半導体 / 有機エレクトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
有機発光トランジスタ(OLET)の高効率化を目指し、三重項励起子を活用可能なOLETデバイスの開発を行った。特に、有機発光ダイオード(OLED)で100%の内部量子効率が達成されている熱活性化遅延蛍光(TADF)材料に焦点を当て、新規材料開発と既存材料のデバイス応用の両面から検討した。 H29年度は、既存のTADF材料である4CzIPNやCis-BOX2等のトランジスタ構造への応用を試みた。一般的なTADF材料は、ドナーアクセプター構造であり両極性電荷輸送が期待できる。これらを活性層に用いたトランジスタは、両キャリアの注入が示唆されたものの、典型的なp型半導体特性を示すことが明らかとなった。またトランジスタ構造における移動度は、比較的低いレベルであることが分かった。そこで、高移動度な材料を用いた電荷輸送層を形成し、その上にTADF材料をドープした発光層を積層させたp型およびn型OLETデバイスを構築した。これらのデバイスは良好なトランジスタ特性を示し、明確な発光も観測した。すなわち、TADF材料を応用したOLETの開発に初めて成功した。 ホールブロッキング層を追加することでさらなる特性の向上を実現し、1 cm2/Vsを超える移動度、10の6乗のon/off比、最大500 cd/m2の輝度と0.1%のEQEを達成した。またシミュレーションにより、電極による光吸収がEQEを大きく制限していることを明らかにし、光取り出し効率の改善によりさらなる高性能化も可能であることを示すことができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TADF材料を用いたOLETを作製し、発光の観測に成功した。また、これらの成果を国際誌に発表している。
|
Strategy for Future Research Activity |
光取り出し効率の向上には、再結合領域の制御が必要であり、両極性デバイスの開発などを検討する。また、電荷輸送能と発光性能を両立可能な材料を開発し、単一層からなるTADF-OLETを作製する。
|
Research Products
(3 results)