2017 Fiscal Year Research-status Report
イオン伝導ガラスにおけるソレー効果を利用した熱電変換の実証
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17K14545
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 雅弘 京都大学, 工学研究科, 助教 (60704757)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ガラス / 熱起電力 / ソレー効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はイオン伝導ガラスにおけるソレー効果を利用した熱電変換の実証であり、当該年度は二成分系イオン伝導ガラスの作製と熱起電力の測定および非平衡分子動力学シミュレーションを行った。二成分系イオン伝導ガラスの直流電気伝導率と熱起電力を測定するための実験系を構築した。二成分系イオン伝導ガラスとしてはLi2O-P2O5ガラス、Li2O-B2O3ガラス、Na2O-B2O3ガラスを候補として選び作製した。作製したガラスの直流電気伝導率は、既報の値と同程度のものが得られたものの、熱起電力測定においては、当該年度は正確な熱起電力測定を行うための課題の抽出と解決に努めるにとどまった。電圧の時間変化に載る微細なノイズはホットプレートからの電磁波によるものであることが明らかになり、金属箔で遮蔽することにより改善した。しかし、温度勾配下の試料の電圧の時間変化の曲線には説明できない部分があり、空気中の水分の影響が候補として挙げられる。これに関しては、次年度にアルゴン雰囲気下での実験を行うことで改善する予定である。一方、非平衡分子動力学シミュレーションを行いイオンの移動を追うための解析手法を考案したが、低温下でのイオン拡散であるためイオンの分布が定常状態に達するまでに長時間かかるという課題が明らかになった。これについては、次年度のシミュレーションの温度域を上げることやシミュレーションボックスの形状を変化させることで対応する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度に、種々のガラス試料の熱起電力を測定する予定だったが、正確に測定するための種々の課題が明らかになり、その対応に追われたため。
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Strategy for Future Research Activity |
正確な熱起電力が測定できるように、アルゴン置換、電磁波遮蔽に留意して熱起電力の測定を行う。測定が安定してできるようになり次第、熱起電力のデータベース化、および、より高い熱電変換性能が出るような工夫を行う。
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Research Products
(7 results)