2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of high-precision and low-cost mesoscale material model using meshfree analysis technique
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17K14559
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
只野 裕一 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (00346818)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 結晶塑性 / メッシュフリー法 / 材料モデリング / 多結晶金属 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,メッシュフリー法に用いられる数値解析技術を応用することで,高精度と低計算コストを両立した新たなメゾスケール材料モデルを提案することを目的としたものである. 当初計画では,2020年3月開催予定であった国際会議にて本研究の成果を発表し,そのフィードバックを得ることで研究を総括する予定であったが,新型コロナウイルス感染症の影響により当該国際会議が2020年12月に延期された.このため研究期間を1年延長し,2020年度は解析モデルの更なる精緻化を進めた上で,2020年12月に開催された国際会議において研究報告を行った.結果として,提案モデルに対するより深い知見を得ることができた.以上より,本研究課題が目指す,低コストかつ高精度なメゾスケール材料モデルの構築を達成し,研究を総括することができた. 研究期間全体を通じて,メッシュフリー法に用いられる高精度数値積分法で使用されるボロノイ多角形が,金属多結晶体の幾何形状モデルとしても利用できることに着目し,新たな多結晶塑性モデルの枠組みと解析手法の構築を行った.研究期間前半に,モデルの基礎的な定式化を行い,メッシュフリー法における数値解析積分法と多結晶体の幾何モデルの親和性について精査した.研究期間後半には,単にボロノイ多角形を利用した幾何形状モデルを作成するだけでなく,解析領域の形状が複雑になった際の境界の取り扱いについても検討を行い,境界の取り扱いに関するアルゴリズムの改良と実装を行った.更に,提案アルゴリムが昨年度までに理論的枠組みにおいて適切に機能することも確認し,提案手法の汎用性と有用性を向上することに成功した.以上を通じて,解析精度を低下させることなく,従来手法よりも大幅な計算コスト低減を実現できるメゾスケール材料モデルを開発し,その定量的な評価までを行うことができた.
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