Development of innovative defect detection technique based on Sonic-IR immersion method using resonance

2019 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 17K14561
• Research Institution: The University of Shiga Prefecture
• Principal Investigator: 和泉 遊以 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (60610954)
• Project Period (FY): 2017-04-01 – 2020-03-31
• Keywords: 超音波入力領域 / 振動モード / 欠陥発熱

Outline of Annual Research Achievements

本研究課題では，液体を介して検査対象に超音波を入力する液浸式Sonic-IR法の手法確立のための基礎研究に取り組んだ．最終年度では，検査法の試験条件の中の重要項目に重きをおいて検討を進め，具体的には検査対象における超音波入力領域が検査対象の振動状態や欠陥部での発熱に及ぼす影響について，前年度に引き続いて調査し，これを明らかにした．また，開発した非破壊検査法の疲労き裂への適用性を明らかにした．以下に，研究期間全体の研究成果を示す．
(1)液中の振動強度分布に影響を及ぼす因子の解明　超音波振動の媒体となる液中の振動強度分布に及ぼす超音波の周波数，液温および液体の溶存酸素量の影響を明らかにした．
(2)検査対象の振動状態の把握　液体を介して超音波を入力した場合の検査対象の振動状態を，加速度センサによる振動計測，粘弾性体の発熱計測に基づく振動評価実験および有限要素法による固有値解析により調べ，検査対象には複数の固有振動モードが生じていることを確認した．
(3)検査対象物の振動状態とき裂部の発熱の関係　き裂面同士の相対加速度とき裂部の発熱に相関関係が認められた．また，検査対象物には複数の固有振動モードが発生するが，き裂部の発熱に特に影響を及ぼす固有振動モードが存在することを明らかにした．
(4)超音波入力領域と欠陥部の発熱の関係　検査対象の超音波入力面積が増加すると，き裂部の発熱も上昇する傾向が見られた．また，欠陥部の発熱は，液中の音圧分布と検査対象物の固有振動の腹・節の位置関係によって大きく変化することが明らかになった．
(5)良好な欠陥検出を行うための試験方法の提案　上述で得られた知見から，検査対象物の浸水深さなどをコントロールして，欠陥部での摩擦熱を生じさせるのに有効な固有振動モードを効率的に励起させる方法を提案し，その有効性を疲労き裂試験片において確認した．