2017 Fiscal Year Research-status Report
Fatigue fracture analysis and reliability estimation of ceramic ball subjected to thermal shock under variable temperature difference
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17K14563
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松田 伸也 香川大学, 工学部, 講師 (10550460)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 繰返し熱衝撃疲労 / 熱衝撃疲労寿命 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度では,ハイエンド部品グレードの窒化ケイ素製セラミック軸受球の熱衝撃疲労(CTSF)寿命特性や球径依存性,損傷形態をデータベース化することを目的とした.本目的を達成するために,試験装置を改良し,処女軸受球のCTSF特性をデータベース化することを計画した.その成果の要約を以下に示す. 1.現有する熱衝撃試験機を自由落下式水中急冷CTSF試験装置へ改良した.特に繰返し熱衝撃によるプールの水温上昇回避のために,ウォーターバスに温度測定機能付き冷却ファンを取り付け,所定の温度以上になると冷却し,温度を一定に保持するシステムを導入した. 2.セラミック軸受球(サイズ3/8inch)に対して一定温度差下でのCTSF試験を実施した.その結果,従来の窒化ケイ素セラミックスに対して知られているように,温度差の低下とともにCTSF寿命は伸びる傾向を示した.しかしながら,同じ温度差でもCTSF寿命は大きくばらつく.またCTSF後の巨視的な損傷形態は熱衝撃破壊の場合と同様に,極表面層において,ある一点を起点としてき裂が発生し,その後,進展と分岐が生じていた.温度差が小さくなれば,き裂の進展と分岐の量が減少する傾向を示した. 現状では,一定温度差下での巨視的なCTSF損傷形態のデータベースはおおよそ構築できた.しかしながら,予想以上にデータのばらつきが大きいため,十分な寿命特性データベースの構築に至っていない.ゆえに異なる球径や2段変動温度差下でのCTSF試験は実施できていない.今後,さらに追試験を実施するとともに,CTSF特性の球径や2段変動温度差の影響に関してもデータベースを構築していく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの熱衝撃破壊データベースに基づき一定温度差下でのCTSF試験を実施したが,CTSF寿命が大きくばらつくため,データベース構築のためにはさらに数多くの試験が必要である.ゆえにCTSF寿命データベースの構築には十分至っておらず,当初の研究計画と比較してやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では,球径の異なるセラミック軸受球も併せて一定および2段変動温度差下でのCTSF試験を実施し,CTSFデータベースを構築する.その後,得られたデータベースに基づきFEMによる非定常熱応力解析やSCG則,Kクライテリオン,熱統一理論などセラミックス特有の理論・破壊基準を適用した力学的モデルを構築していく.これより,CTSF破壊メカニズムを理論的に明らかにしていく.
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では,研究成果を学会において発表するための交通費および参加費の予算を計上していた.しかしながら,一定温度差下での繰返し熱衝撃疲労寿命が予想以上に大きなばらつきを生じることが明らかとなったため,いまだデータベース構築が不十分な状態である.ゆえに,学会での成果発表ができなかった.次年度では,本年度の実績を基に理論的な観点を踏まえて試験条件を設定し,なるべく最小限の試験を実施することでデータベースを早急に構築し,学会において成果を発表する.
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Research Products
(1 results)