2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of crystal orientation control method by shear strain and heat treatment
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17K14567
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
寺野 元規 岡山理科大学, 工学部, 講師 (90708554)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 機械工作・生産工学 / 金属生産工学 / 結晶工学 / 精密部品加工 / 構造・機能材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は「切削加工によるせん断ひずみが及ぼす静的再結晶粒への影響の調査」を実施した.材料の合金成分の影響を無視するため,合金材料ではなく,純鉄(純度99.99%)を供試材として用いた.当初計画では丸棒を用いる予定であったが,厚さ1 mmの板材の方が容易に入手でき,二次元切削加工も比較的容易にできることがわかったため,試験片形状を厚さ1 mmの円板とした.切削理論によれば,二次元切削切りくずに加わるせん断ひずみ量は工具すくい角,加工速度,切込み量に依存する.今回はすくい角α = 0°の一定とし,加工速度,切込み量についてCNC旋盤を用いることにより制御することとした.これにより,せん断ひずみγを定量的(γ= 3~12)に変えて試験することが可能となった.しかしながら,条件によっては,切りくず形態がせん断型となり,定量的なせん断ひずみが導入されず,理論的に比較的に均一で定量的なせん断ひずみが導入できる条件を探索した.その後,異なるせん断ひずみが加わった流れ型切りくずを熱処理し,静的再結晶過程の時系列観察を行った.熱処理時間が長くなると,再結晶粒径は大きくなった.これは,熱エネルギーが再結晶粒の粒成長に必要な駆動エネルギーとなったと考えられる.また,二次元切削加工によるせん断ひずみ量が大きいほど再結晶粒径は小さくなった.これはひずみエネルギーが大きいため,再結晶の起点が多くなり,再結晶粒数が増え,その結果として再結晶粒径が小さくなったと考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は切削加工によるせん断ひずみが及ぼす静的再結晶粒への影響を定量的に調べることはできた.しかし,結晶方位の影響まで調べることはできなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
1.結晶方位分析(EBSD)により,集合組織が出来ているかを調べる.また,加工ひずみ量が結晶方位へ及ぼす影響を定量的に示す. 2.バニシング加工によるせん断ひずみが及ぼす静的再結晶粒への影響を調べる.
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