2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of crystal orientation control method by shear strain and heat treatment
Project/Area Number |
17K14567
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
寺野 元規 岡山理科大学, 工学部, 講師 (90708554)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 機械工作・生産工学 / 金属生産工学 / 結晶工学 / 精密部品加工 / 構造・機能材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は「せん断ひずみが及ぼす静的再結晶粒への影響の調査」および「バニシング加工によるせん断ひずみが及ぼす静的再結晶粒への影響の調査」を実施した. 「せん断ひずみが及ぼす静的再結晶粒への影響の調査」では,ひずみ導入方法が静的再結晶組織へ及ぼす影響を調べるため,二次元切削と圧延により,純鉄板にひずみを導入した.二次元切削では,切りくずには比較的に均一なひずみが導入されているが,圧延では,不均一なひずみ(厚さ方向に分布したひずみ)が導入されていた.その後,両者に対して熱処理を行い,静的再結晶を誘起した.その結果,静的再結晶組織の微細化には均一なせん断ひずみが有効であるが,強い集合組織を形成するためにはひずみ分布が有効であることがわかった. 「バニシング加工によるせん断ひずみが及ぼす静的再結晶粒への影響の調査」では,ローラーバニシング加工により,試験片表層のみにせん断ひずみを導入した.ローラーバニシング加工では,均一なせん断ひずみを加えることはできないが,表層のみに大きなひずみを加えることができる.供試材料は純鉄板および炭素鋼S25C丸棒であり,純鉄板では,NCフライス板を用いてローラーバニシング加工によりせん断ひずみを円周状に付与した.また,炭素鋼S25C丸棒では,CNC旋盤を用いて,丸棒表面をローラーバニシング加工した.その後,熱処理を行い,静的再結晶過程の時系列観察を行った.両者とも,加工力(加工ひずみ)や熱処理条件により静的再結晶粒径が異なった.具体的には,加工力が大きいほど再結晶粒径が小さくなった.昨年度得られた二次元切削加工から得られた結果を踏まえると,加工力増大に伴い,局所的にひずみエネルギーが増大し,再結晶の起点が多くなったためと説明できる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
EBSD測定中に,EBSDカメラと試料が接触したため,EBSDの測定ができなくなったため,急遽,腐食による結晶粒測定法に変更した.2019年度に再度EBSD測定を試みる.
|
Strategy for Future Research Activity |
バニシング加工後や熱処理後の結晶方位分析(EBSD)により,集合組織が出来ているかを調べる.特に棒材に対しての「局所的な結晶組織制御技術の確立」を目指す.
|