2017 Fiscal Year Research-status Report
VattiクリッピングとB+木を用いたニアリアルタイム切削シミュレータの開発
Project/Area Number |
17K14568
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高杉 敬吾 金沢大学, 機械工学系, 助教 (80710235)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 切削シミュレータ / Vattiクリッピング / サーフェスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,切削力予測と,工作機械の動特性に基づくびびり振動予測をニアリアルタイムに実施可能なシミュレータの開発を目的とし,初年度である2017年度では,コンピュータグラフィックス分野で発展してきた高速性と低演算コストを持つブール演算アルゴリズムを切削シミュレータへ応用するべく,B+木とVattiクリッピングを用いたニアリアルタイム切削シミュレータの開発を実施し,現在継続中である.具体的には,まずVattiクリッピングの実装を行い,また高速性の評価を行った.Vattiクリッピングは2次元の多角形同士のブール演算アルゴリズムであり,従来のボクセル表現との差別化を図る上で本研究における基幹技術として,十分な高速性と安定性の検証,特に演算点数の増加と共に生ずる遅延の検証が必要である.実装および検証の結果,実装上の修正点が若干残っており安定性の改善が今後の課題ではあものの,CPUコア1つ(Xeon3.60GHz)を用いて数十マイクロメートルの空間分解能に対し数百ミリ秒オーダの十分な高速性が確認できたことから,ほぼリアルタイムで切削ボリュームの算出が可能となることが実証された.ただし,シミュレーションが進行するに従ってデータ量が増加するため,遅延が増加することも確認された.よって今後はB+木を用いたデータ構造の最適化が必要となる.また,3次元CADモデルから2次元平面展開および,その逆となる2次元から3次元への再構築部の開発を実施する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年度において切削シミュレータの一応の完成を目処としていたが,基幹アルゴリズムであるVattiクリッピングの実装,特に安定性の確保に多くの時間を要しており,全体の進捗はやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
まずは,切削シミュレータを速やかに完成させることを優先させる.次に,切削力予測アルゴリズムを実装し,リアルタイム性を評価しつつ,開発した切削力シミュレータの妥当性を評価する.評価では,実切削での切削力を三分力計を用いて測定し,シミュレーション値とを比較する.
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Causes of Carryover |
ワークステーション1台の購入金額が予定していた金額よりも安く,残額が生じた.次年度では切削動力計等の測定機器および切削工具や治具,材料等の購入を予定している.
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