2018 Fiscal Year Annual Research Report
Electrochemical machining using porous electrodes fabricated by additive manufacturing process
Project/Area Number |
17K14569
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小谷野 智広 金沢大学, 機械工学系, 助教 (20707591)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 電解加工 / ポーラス / Additive Manufacturing / 粉末床溶融結合法 / 空孔 / 電極振動 / 気泡混入 |
Outline of Annual Research Achievements |
多孔質形状(ポーラス)を有する複雑構造体を一体で造形できるという金属粉末付加製造法(金属AM)の特徴を活用し,ポーラスを付与した新しい電解加工用電極(ポーラス電極)を開発した.本電極ではポーラスを電極の一部に設け,ポーラス部の空孔(直径数十μmから百μm程度)を電解液の吐出し口として電極間へ電解液を供給する.従来の工具電極では電解液の吐出し口が大きいため,吐出し口の直下で未加工部が生じるという問題があったが,ポーラス電極では吐出し口となる空孔が小さいので,加工面への影響を極めて小さくできる.本研究では,円柱形状,および四角柱形状のポーラス電極を粉末床溶融結合法を用いて製作した.本方法では,造形時のレーザ走査速度を速くすることで焼結密度が低くなり,ポーラス構造を造形することができる.走査速度を変化させて造形した結果,走査速度が速い方が,一つ一つの空孔のサイズが小さくなり,空孔率も大きくなった.また,これらの電極を用いて電解加工した結果,走査速度が速く,空孔が小さい電極の方が加工面の平坦性が良好となった.一方で,加工面にはポーラス部から電極外周に向かう線状の凹凸が生じた.その原因としては,ポーラス部の空孔分布の不均一により,加工面上のそれぞれ場所で電解液の流速差が生じてしまうことが考えられる.そこで,電極に振動動作を付与し,その改善を図った.電極の上下振動によりポンプ作用を生じさせると,電極外周部から電極内部へ引き込まれる電解液の流れが生じ,これがポーラス部からの電解液の流れと相殺することにより,電極間での流速が小さくなるときが現れる.その際にパルス電圧を印可することで,放射状の線を減少させることができた.さらに,電解液中に気泡を混入させることで,電解液を攪拌する作用を生じさせ,電解液流速の不均一さの低減を試みた.これによっても,放射状の線の発生を大きく低減させることができた.
|
Research Products
(1 results)