2018 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of Mechanism of Particle Removal by Megasonic Cleaning using Fluid Structure Coupling Method
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17K14584
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
落合 直哉 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (40614508)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メガソニック / 流体構造連成解析 / 個別要素法 / 粒子除去 |
Outline of Annual Research Achievements |
半導体洗浄に用いられるメガソニック洗浄は, MHz帯の高周波数音波を用いた物理的な洗浄手法であるが, メガソニック波によって誘起されたキャビテーション気泡が崩壊した際に発生する圧力波が半導体デバイスにダメージを与えることがある. そのためメガソニック洗浄を確立した洗浄手法にするためには, メガソニック洗浄における粒子除去メカニズムを明らかにする必要がある. 本研究では, そのためにメガソニック場中の気泡挙動の流体解析と付着粒子の構造解析の連成解析手法の開発を行う. 本年度は, 前年度に構築した流体構造連成解析手法によって, メガソニック波により誘起される気泡振動による付着粒子挙動がある程度妥当に評価できることを示し, 学会で発表を行った. さらに, 付着粒子を再現する拡張個別要素法(EDEM)粒子の妥当なパラメータについて検討を行った. EDEMでは, ある衝撃力を与えてそれによる応力波の伝播速度が音速に一致するようにばね定数を決定する. これによって決定したばね定数を用いて, 一定の圧力勾配を受ける付着粒子のはく離挙動を計算し, 壁に付着している粒子の個数を, 付着粒子の壁面接触半径の理論値をもとに決定することで, 付着粒子がはく離しうる圧力勾配の値が, 理論解析から予測される値と同程度になることがわかった. 流体構造連成解析においては, これまで流体から付着粒子への一方向連成であったが, 付着粒子の影響が流体側へも反映されるように, 付着粒子が存在している流体側セルの物理量についての検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
いまだ流体構造連成解析を通してメガソニック洗浄における付着粒子除去メカニズムの解明にまではいたっていないが, 前年度に課題としていた構造解析パラメータの検討を十分に行った. ここで定めた構造解析パラメータを用いることで, より妥当な付着粒子のはく離判定が可能となり, 付着粒子除去メカニズムの解明に向けて大きく進展したといえ, 研究はおおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
決定した構造解析パラメータを用いて気泡振動による圧力変動による付着粒子挙動の流体構造連成解析を行う. 気泡の初期半径や付着粒子からの気泡の相対的な位置を変更させた際の付着粒子のはく離挙動について解析し, 付着粒子がはく離する条件について検討することからメガソニック洗浄における粒子除去メカニズムの解明を目指す. この際, 誘起する衝撃圧の値と衝撃圧が作用する向きのそれぞれがどの程度はく離に影響を与えているのかにも注目する.
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Causes of Carryover |
今年度は論文発表にまで至らなかったため次年度使用額が生じた. 発生した助成金については, 論文投稿のための英文校正費及び論文掲載費として使用する. また, 大規模三次元計算データ保存用のハードディスクドライブにも使用する.
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