2017 Fiscal Year Research-status Report
多目的最適化によるマルチスケール格子の形状最適化とそのメカニズム解明
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17K14589
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
北村 拓也 長崎大学, 工学研究科, 助教 (30794648)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マルチスケール格子乱流 / 最適化 / 直接数値計算 / 統計理論 / クロージャー理論 / ニューラルネットワーク / 遺伝的アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,トレードオフ関係にある混合促進・圧力損失低減を目的とした多目的最適化システムによるマルチスケール格子形状の最適化である. 平成29年は,マルチスケール格子乱流の直接数値シミュレーション(Direct Numerical Simulation:DNS)の空間差分を流れ方向に不等間隔の4次精度,垂直および鉛直方向に等間隔の4次精度に変更し,Poisson方程式の解法として,2次元FFTを用いた7重対角行列の解法を確立した.さらに,最適化を行う際の設計変数を検討した.また,風洞装置を設計製作し,マルチスケール格子乱流の実験ができる環境を整備した. マルチスケール格子乱流の粒子拡散のための予備計算として,一様等方性乱流の粒子拡散を実行した.ラグランジュ的繰り込み理論を単一時間の理論へ拡張することにより,ラグランジュ速度相関および一粒子の拡散距離を解析的に表現することに成功した.本理論はDNSと定量的に一致することを確認した. また,ニューラルネットワークと遺伝的アルゴリズムを組み合わせた多目的最適化システムを新たに構築し,検証問題を通してその妥当性を確認した.また,本最適化システムの有効性を調べるため,小弦節比翼列ディフューザを対象として,von-Karman研究所により開発された最適化システムとの比較を行い,少ない計算回数で非劣解を探索できること,解の多様性を保持できることが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績」の項で記したように (1)当初計画通り,DNSの計算コードの高精度化および実験装置の設計製作,最適化システムの構築を行った. (2)ラグランジュ的繰り込み理論を単一時間の理論へ拡張することにより,ラグランジュ速度相関および一粒子の拡散距離を解析的に表現することに成功した.本理論は一様等方性乱流のDNSと定量的に一致することを確認した.今後,マルチスケール格子乱流との比較を行うための重要な知見を得ることができた. 以上のことから,本研究は,おおむね順調に進展していると判断される.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は, (1)マルチスケール格子乱流の最適化. (2)マルチスケール格子乱流中の粒子拡散のDNSを行う. (3)一様等方性乱流の二粒子拡散に対する理論の展開を行う. また,最終年度に当たるため,これまで得られた成果をまとめる.
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