2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of highly proton conductive membranes by controlling microstructures using quantum and molecular analysis
Project/Area Number |
17K14600
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
馬渕 拓哉 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (10795610)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 燃料電池 / プロトン輸送 / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題で構築した「粗視化MD法によるメゾスケール高次ナノ構造内プロトン輸送評価シミュレータ」を用いて,異なる分子量やブロック比を有した様々な分子構造ポリマーのシミュレーションを実施し,安定したシリンダーやラメラ形状の水チャンネルを形成できる構造条件を明らかにした.具体的には,共重合体を構成する各モノマーの主鎖骨格および側鎖長さを様々に変化させた分子構造のモノマーモデルの組合せを変化せることで異なる分子量およびブロック比を有した共重合体モデルを構築した.その結果,IECの増加に伴い輸送性が高くなることがわかった.さらに,特定のブロック比においてより連結性の高い水クラスター構造が形成され,プロトンおよび水の輸送特性が高くなることが示された.また,シリンダー形状において水クラスター表面に分布するスルホ基の表面密度もプロトン輸送に大きく影響することが明らかとなり,含水率だけでなく,シリンダーサイズやスルホ基表面密度などの複数の構造パラメータの制御が重要であることがわかった.特に低含水率では,シリンダー形状内の拡散はランダム構造と比較して4倍以上大きくなることが明らかとなり,水クラスター形状に起因するプロトン輸送特性の理論的な最大値を提案することができた.電気浸透係数については,プロトン輸送特性とは異なり,シリンダーサイズおよび含水率の増加に伴い単調的に増加することが明らかとなった.そのため,水クラスターサイズよりも流れ方向への屈曲度がより重要なパラメータであることが示唆された.
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Research Products
(5 results)