2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K14606
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
片岡 秀文 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10548241)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 液滴燃焼 |
Outline of Annual Research Achievements |
噴霧燃焼法を用いる内燃機関の高効率化には、噴霧を構成する要素の最小単位である単一液滴の燃焼特性を詳細に理解することが重要である。本研究では、再生可能エネルギの一つであるバイオマス由来のアルコール燃料である1-ブタノールと環境負荷物質低減が期待される排気再循環(EGR)技術に着目した。EGRガス中には二酸化炭素および水蒸気が含まれているため、それらが液滴燃焼特性に及ぼす影響を明らかにすることが目的である。 平成29年度は、微小重力実験が可能な装置の作製および空気微速流中における液滴燃焼に及ぼす温度の影響について研究を行った。これまで、液滴下部に1つのコイル状ヒータを設置することで液滴を着火させていたが、着火後の擾乱が計測精度に影響を及ぼす可能性があったため、2対のヒータで着火する装置に変更し、ヒータの形、太さおよび通電時間の最適化を行った。そして、新しい着火装置を用いて、微速流流速0.24~0.45 m/s、温度300~363 Kで実験を行った。実験で得られた影画像から瞬時液滴燃焼速度の導出を行い、瞬時液滴直径が同一の場合、周囲微速流流速および温度が増加すると瞬時液滴燃焼速度が増加することがわかった。実験装置を加熱することで、微速流への水蒸気の添加ができる。また、微小重力環境で使用可能な実験装置を作成し、動作確認を目的として通常重力下において予備実験を行った。次年度の実験項目である微速流の組成を変更するためのマスフローコントローラおよび気化器の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定では、平成29年度中に微小重力環境で用いる実験装置を完成し、データを得る予定であったが、実験装置の作製に予想以上の時間を要したため、通常重力環境下における実験までにとどまった。また、微速流の組成制御装置を完成する予定であったが、現在作成中であり、やや遅れている。これらより「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、平成29年度に作成した微小重力実験用装置を用い、参照データとする対流のない条件における瞬時液滴燃焼速度の取得を行う。また、微速流の組成の影響(二酸化炭素および水蒸気の割合)を明らかにするために、現在準備中の微速流作成装置を完成させ、微速流流速~0.45 m/s、温度~363 Kで実験を行う。得られた結果から、微速流中の1-ブタノールの瞬時液滴燃焼速度に及ぼす、流速、温度、組成(二酸化炭素および水蒸気の割合)の影響について検討し、実験式等の整理を試みる。
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Causes of Carryover |
今年度は予備実験に当初予定より時間を要し、微速流の組成制御装置に関して、水蒸気添加用のみの作成にとどまったため、当初予算より低くなった。当初予定どおり、微速流組成制御装置(二酸化炭素添加装置)の作成に使用する。
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