2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K14609
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
江目 宏樹 山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (80785551)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 局在プラズモン / ナノ粒子 / ナノ繊維 / 干渉効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、医療分野で求められる光熱癌治療の高精度化を目指し、ふく射のナノスケール効果を応用したナノマイクロ散乱性媒体による光学物性制御について、基礎理論を確立し、生体組織への正確なふく射加熱技術の確立を目指す。 平成30年度は、散乱性媒体の粒子間距離、粒子数、粒子材料等が周囲の局所プラズモンに与える影響について、有限要素法によるシミュレーション解析を行った。粒子クラスターにおけるプラズモンの発生が、粒子内部の電場方向の回旋と、粒子間に発生する局在プラズモンの干渉によることを明らかにした。各パラメーターにより、クラスターのふく射物性の大きさならびにそのスペクトル特性を制御可能なことを明らかにした。本知見は学術雑誌の論文(H. Gonome, Interference effect of localized surface plasmon resonance on radiative properties of plasmonic particle clusters in 3D assemblies, Journal of Quantitative Spectroscopy and Radiative Transfer, 230 (2019) 13-23.)としてまとめられた。 また、平成29年度に遂行した、磁性ナノワイヤについて、磁場による配列制御で作製した散乱性媒体の光学物性を評価に関して、シミュレーション解析と実験結果を比較し、妥当性を検証した。繊維材料により、散乱性媒体の散乱位相関数の制御が可能であることを示した。 また、金属ナノ粒子に誘電体を添加することでプラズモンの増強が起こることを明らかにし、誘電体の材料による影響を解析により評価した。誘電体の材料の屈折率により、プラズモンの増強度が変化することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析による評価が順調に遂行でき、学術雑誌に論文が発表された。学術的な理論の知見の獲得は順調だが、応用と実用に関して、来年度に着手したい。
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Strategy for Future Research Activity |
プラズモンの制御可能なふく射物性を可変できる散乱性媒体の開発を目指す。まずは確立した有限要素法による解析による設計指針を確立し、実験による評価につなげる。 研究の過程で発案されたこのプラズモンスイッチング機構の実験的評価のため、実験機器の拡充が必要となったことから、前年度応募による新たな資金獲得を検討する。
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Research Products
(7 results)