2018 Fiscal Year Research-status Report
自律ヘリのための吹き下ろしと低速に強いADSの開発と脱GNSSロバスト航法の実現
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17K14613
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤原 大悟 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (60604642)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エア・データ・センサ / 対気速度 / 小型無人ヘリ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に開発した超音波型および圧力型のエア・データ・センサ(ADS)プローブを用い、風洞試験、地上試験、飛行試験によるプローブ特性取得試験を実施した。この試験では、プローブに流入する空気の対気速度の大きさや方向を変化させ、プローブのセンサ計測値を取得し、流入速度や方向に応じてどういった計測誤差が生じるかをプローブ個別に解析した。この試験結果をもとに、無人ヘリの各種飛行状態に応じてADSプローブに発生しうる計測誤差を数値データベースにまとめ、航法フィルタ用数学モデルとして定量化した。続いて、このモデルと従来の衛星航法/慣性航法(GNSS/INS)複合航法用の速度・位置ダイナミクスモデルをあわせた拡大システムのモデルを作成し、ADS/GNSS/INS複合航法フィルタの設計に入った。フィルタの設計手法には拡張カルマンフィルタを用い、直交3軸の対地速度、位置、大気擾乱を推定するフィルタを構成した。 機体のメインロータの吹き下ろし風速については、前年度に試作した小型ピトー管を機体各部に取り付けて飛行試験を実施し、いくつかの速度や方向で飛行を行ってその際のピトー管の圧力データを記録し、実飛行状態での吹き下ろし風速の大きさと分布を取得した。このデータをもとに、航法フィルタで用いる吹き下ろしモデルを解析的に作成し、前述の航法フィルタ設計へ反映させた。なお、解析的なモデル化は複雑であるので、吹き下ろしモデルを学習的に取得する方法についても並行して検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初研究実施計画通り、誘導速度取得試験や航法フィルタ用モデル作成を行うことができた。さらに、予定よりも早く、次年度に計画していた複合航法フィルタの設計作業に入ることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、航法フィルタの設計や単体検証を進める。また、航法フィルタ検証用データを取得する実験の準備を行う。準備が完了次第、実験を実施し、データ解析を経て、開発した航法システムの性能検証を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
応募額に対し内定額が大幅減額となったことを考慮し、前年度に引き続き、当年度に予定していた物品や旅費等の支出を抑えるように努めたところ、当初計画をわずかに下回ったため。ただし、残金額としては少なく、ほぼ予定通りの支出になっている。
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Research Products
(2 results)