2017 Fiscal Year Research-status Report
滑走体の機械的特性と雪質を考慮したスノーボード設計のための滑走特性解析
Project/Area Number |
17K14614
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉田 達哉 福井大学, 学術研究院工学系部門, 講師 (20734544)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | スノーボード / 雪 / スポーツ工学 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
スノーボードの板の幾何学形状と機械的特性は滑走性能に大きく影響するが,板の滑走性能を定量的に評価し,その結果を設計開発にフィードバックすることは非常に困難である.本課題では個別要素法を用いて雪面を粒子の集まりとして板の間の複雑な相互作用を計算し,スノーボードの滑走を再現するためのシミュレーションモデルを開発する.そして,板の幾何学形状と機械的特性がターンに与える影響を定量化する. 平成29年度は,スノーボードを剛体として板側面のサイドカーブ半径が異なるモデルを作成し,ターンに及ぼす影響を評価した.直滑降時にモーメント荷重を与えターンさせるとサイドカーブ半径が小さくなるとターンが大きくなる傾向が見られた.また,サイドカーブ半径が小さくなると板の回転角も大きくなることがわかった. 開発したシミュレーションの妥当性を評価するため,サイドカーブ半径が異なる小型のスノーボードの模型を作成し,さらに滑走時の運動を計測するため計測システムを構築した.スノーボードにはひずみゲージと9軸加速度センサを取り付け,滑走時の板のたわみと姿勢を計測できるようにした.また,ステレオカメラにより滑走時の板の3次元座標を計測し,ターンの軌跡をシミュレーションと比較できるようにした.滑走試験は雪を模したプラスチック製パイプ(直径8mm,長さ10mm)を敷き詰め斜面を作成して行った.シミュレーションで実験状況を再現し,サイドカーブ半径がターンに与える影響を実験と比較すると傾向が一致しており,シミュレーションの妥当性を確認できた. また,滑走時の板のたわみが滑走に大きな影響を及ぼすことから,板の変形を再現するために有限要素法によりモデル化を行った.個別要素法により雪面から受ける反力を計算し,それを外力として有限要素法で板の変形量を計算する.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
模擬雪の選定,ステレオカメラを用いた3次元計測の精度向上など実験用の小型模型の計測システムの構築に時間を要したため,有限要素法モデルによる板の変形を再現するシミュレーションが完全には完成していない.
|
Strategy for Future Research Activity |
滑走時の板の変形を考慮するための個別要素法と有限要素法の連成解析モデルを構築し,解析の妥当性を検証する.その後,スノーボードの剛性の違いが滑走時の板の変形やターンに及ぼす影響を評価する.また,異なる雪質でも解析を行うために,文献値を参考に雪面を再現する個別要素法のパラメータを決定し,雪質がスノーボードの滑走に及ぼす影響も明らかにする.
|
Causes of Carryover |
当初購入を予定していた機器を見直したため,次年度使用額が生じた.計測システムの多チャンネルの増加,計測精度向上のために計測機器を購入する予定である.
|
Research Products
(1 results)