2019 Fiscal Year Annual Research Report
Dual-dynamic-absorber switching motion patterns using neural network
Project/Area Number |
17K14615
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
本宮 潤一 鳥取大学, 工学研究科, 助教 (80781690)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 機械力学・制御 / 制振 / 動吸振器 / 自己組織化 / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,生物学の分野で,非線形性を持った要素が集団として作り出す動的秩序(=自己組織化)が生物の持つ高機能性・多機能性・環境適応性と深い関わりを持っているとされ注目されている.本研究は,機械装置の知能化の一環として,自己組織化を古典的な制振デバイスである動吸振器に応用し,その過程として得られる自己組織化をデザインする手法,そして,結果として得られる優れた環境適応性を明らかにすることを目的とする.具体的に,本研究期間では,歩行動物の歩容変化アルゴリズムに着目し,多重動吸振器の運動モード切替えを,専用にデザインされた神経系によって行うことで,自ら運動形態を選択可能な動吸振器の開発を目指すものである.初年度は,二重動吸振器を製作しその動特性を検討した.また,次年度は,2つの運動モードの切り替えを司る神経系をデザインするという課題に取り組んできた. そして,最終年度において,二重動吸振器を対象とし,構造物の振動モードに合わせて動吸振器の2つの運動パターンを決定するという機能を持ったネットワークの骨格を提案した.また,これをDynamics & Design Conference 2019にて発表しているこの研究報告では, 2つの周波数帯域に対応する前述の階層型ネットワークとそれら2つの内どちらが支配的であるかを判定するための相互抑制型ネットワークを組合わせて用いることで,所望の機能を持ったネットワークが得られることを示した.このとき,単純な機能を持ったネットワークを組み合わせて用いることで機能を拡張できること,また,比較的小規模なネットワークであっても,複雑ネットワークの特徴であるハブが存在し,極めて重要な仕事をすることを明らかにしている. これらの研究成果から,狙い通りの自己組織化現象をデザインするための基礎を築くことができ,動的制御が必要な他の機械装置への応用が期待できる.
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Research Products
(3 results)