2018 Fiscal Year Research-status Report
セマンティックマップを用いた先回り行動によるストレスフリー生活支援ロボットの開発
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17K14619
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
萬 礼応 慶應義塾大学, 理工学研究科(矢上), 特任助教 (40781159)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | セマンティックマップ / 自己位置推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題では、物体の位置に加えて用途などの意味を付加したセマンティックマップを構築し、環境中の人の移動軌跡と物体の情報の評価に基づいて人の行動を予測し、予測した人の行動に対して、ロボットの先回り行動によるストレスフリーな生活支援動作計画の実現を目的とする。 人に対してストレスフリーなロボットの動作を行うためには、ロボットの周囲の物体、人との位置関係に応じて、人が通る扉を開ける、人を回避して移動するなどの行動の選択が必要である。先回り行動を行うためには、ロボット周囲の人の動きを認識し、予測する必要がある。申請者はこれまで、ロボットに搭載した2次元平面の広範囲な距離情報を取得可能なレーザレンジセンサを用いて歩行者の両脚を立脚・遊脚の歩容および姿勢角を含めた計測技術を開発し、その計測精度の検証を行った。 また、人の行動を予測するためには、人の移動軌跡に加えて、人と周囲環境との関係性を評価する必要がある。さらに、ロボットが環境中で目的の位置に移動、動作するためには事前に作成した環境地図に基づいた自己位置推定が必要である。しかし、人の生活環境では、人など動的物体が存在することに加えて、いすなど環境中の物体も人が操作することで移動する。これにより、事前に作成した環境地図とセンサの取得情報が一致せず、ロボットが自己位置を見失い、復帰できなくなる誘拐問題が生じる。平成30年度は、環境中の物体を人などの動的物体、いす・ドア・荷物など人の操作により移動する可能性のある準動的物体、テーブル・棚などほとんど移動しない準静的物体、壁など移動しない静的物体の4種類に分類し、物体の属性情報を付加したセマンティックマップを構築し、物体の移動属性に基づき、静的物体と積極的な対応付けを行うことで、環境変化に対して誘拐状態が生じにくい自己位置推定手法を提案し、シミュレーションでの検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ロボットが先回り行動を行うためには、ロボット周囲の人の動き認識し、行動を予測する必要がある。申請者はこれまで、ロボットに搭載した2次元平面の広範囲な距離情報を取得可能なレーザレンジセンサを用いて歩行者の両脚を立脚・遊脚の歩容を含めて測定可能な技術を開発した。人の動きの予測を行うためには、人の姿勢を含めた測定ができることが望ましい。そこで、取得した両脚の位置・速度および立脚・遊脚の状態から、人の姿勢を推定する技術を開発した。人がサービスロボットに対峙した際の接近やすれ違い動作に対して、人の姿勢を取得可能であることを確認し、その際の計測精度検証を行った。 また、人の行動を予測するためには、人の移動軌跡に加えて、人と周囲環境との関係性を評価する必要がある。さらに、ロボットが環境中で目的の位置に移動、動作するためには事前に作成した環境地図に基づいた自己位置推定が必要である。特に、人の生活環境では、人など動的物体が存在することに加えて、いすなど環境中の物体も人が操作することで移動する。これにより、事前に作成した環境地図とセンサの取得情報が一致せず、ロボットが自己位置を見失い、復帰できなくなる誘拐問題が生じることが問題であった。平成30年度は、環境中の物体を人などの動的物体、いす・ドア・荷物など人の操作により移動する可能性のある準動的物体、テーブル・棚などほとんど移動しない準静的物体、壁など移動しない静的物体の4種類に分類し、物体の属性情報を付加したセマンティックマップを構築し対して。そして、環境地図用に付加した物体の移動属性およびロボットのセンサで検出した物体の移動属性の評価に基づき、動的・準動的な物体との対応付けの重みは小さく、静的・準静的物体との対応付けの重みを大きくすることで、環境の変化に対して誘拐状態が生じにくい自己位置推定手法を提案し、シミュレーションでの検証を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の成果により、レーザレンジセンサを用いてロボット周囲の広範囲の歩行者の歩容および姿勢を取得可能な技術を開発した。また、平成30年度の成果により、環境中に物体の属性情報を付加したセマンティックマップに基づく、環境変化に対してもロバストな自己位置推定手法を提案した。ロボットによるストレスフリーな生活支援を行うために、今後は、取得した歩行者の姿勢を含めた移動軌跡と環境中の空間や物体の属性情報に基づいて、歩行者の次の行動を予測する技術を開発する。現在は動的な環境での自己位置推定のために、物体の移動属性を付加したが、人の行動予測のために、使用用途や目的などのアフォーダンスを属性として付加したマップに拡張し、実機実験において歩行者の行動予測の検証を行う。 さらに、ロボットの行動計画に対して、人の予測行動および環境中の空間や物体の位置関係、意味情報に基づいて、人の進行方向にあるロボットが操作可能な扉を開けるなどの人の生活支援のために適切な行動を選択する技術を開発する。
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Causes of Carryover |
参加する国際会議を変更したため、国際会議参加費および旅費の分、使用額が当初の予定より変動した。 次年度、国際会議参加費および旅費に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)