2018 Fiscal Year Research-status Report
自己修復性保護膜による腱駆動機構の長寿命化に関する研究
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17K14631
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長濱 峻介 早稲田大学, 理工学術院総合研究所, 研究院講師 (70754745)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自己修復 / 腱駆動機構 / アクチュエータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は引き続き自己修復する腱駆動機構の研究を行った.腱駆動において摩耗以外にも問題となる衝撃により腱(ワイヤ)が破断した状態から修復を行うことが可能な腱駆動機構の開発を行った.腱駆動機構の直動アクチュエータ付近に,ワイヤよりも破断強度が小さい熱可塑性樹脂で構成された部品(カップリング)を導入した.腱駆動機構に衝撃力がかかった際,カップリングの破断強度がワイヤよりも小さいため先に破断する.その破断したカップリングを直動アクチュエータを用いて破断面を接触させた後,熱融解し冷却することにより再結合させることで腱駆動機構が修復する.製作した機構に対し破断実験を行い,複数回の修復を行っても破断前の状態まで結合力が回復することを確認した. また,ねじれ紐式アクチュエータ(TSA)の研究を行った.TSAは,紐を捻ることにより生じる減速作用により高い出力が得られ,また紐を介すことにより腱駆動のような力の伝達が同時に実現可能なアクチュエータである.このアクチュエータは紐どうしを捻ることで駆動するため,摩耗が生じ破断が生じる.そのため,本研究で提案してる摩耗抑制機構とを適用することで,耐久性を向上させることが可能であると考えられる.そこで,本年度はTSAのシステム開発およびその評価装置を製作し,次年度以降に提案している摩耗抑制機構と組み合わせ評価を行う.また,提案している摩耗抑制機構に適用することが可能な性能はまだ得られていないが,自己修復する材料の研究を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腱の修復機構の研究は進んでいるものの,摩耗を抑制する研究の進捗が遅れている. 提案している保護膜による摩耗の修復および抑制機構は,腱や保護膜の材料や腱の周囲にある液体の種類等を選択する必要がある.一方で,現在実験により得られている結果ではオイル等で潤滑しただけでもある程度の効果が得られており,自己修復性保護膜が加熱処理などが必要であることを考えると,提案している保護膜により大幅に耐久性を上げることができなくては工学的なメリットが小さくなることが予想される.そのため,来年度は保護膜の改良を行っていき,保護膜の限界の見積りや今後の改良方針が決定する.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,ねじれ紐式アクチュエータを対象として摩耗に対してロバストな機構の開発を行う.保護膜に関しては,顕著な効果が期待できるかが分からない状態であるが, 研究を通して保護膜の限界の見積りや今後の改良方針を立てる.
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Causes of Carryover |
該当年度は大学の研究費等により研究を行うことができたため,次年度に研究費をまわした.研究費は,腱の材料や薬品,材料の購入にあてる.
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Research Products
(5 results)