Study for Improvement of Energy Efficiency in Induction Motors including Transient State

2022 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 17K14646
• Research Institution: Sophia University
• Principal Investigator: 坂本 織江 上智大学, 理工学部, 准教授 (40443262)
• Project Period (FY): 2017-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 誘導発電機 / 誘導電動機 / 二重給電型誘導機

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、新たに開発した解析性能の高い誘導機のモデルを用いて、誘導機によるエネルギー利用の高効率化を図ることである。その新技術の開発に際しては、電力系統の現象を実際の電気波形に即した形で解析できる「瞬時値解析」が有用である。本研究では瞬時値解析のために開発した計算の安定性と精度の高い（すなわち、解析性能の高い）誘導機モデルによる、過渡特性を含むエネルギー効率の向上への貢献を目指す。
令和４年度には、二重給電型の巻線形誘導機（Doubly Fed Induction Generator, 以下DFIG）モデルの開発を電力系統瞬時値解析ソフトウェアXTAP上で前年度から継続して進め、開発したモデルを用いて電力系統シミュレーションを実施した。DFIGは可変速運転による高効率化と電力変換器の小型化が可能であるという特長を有し、電力システムにおいては大容量の揚水発電所やウィンドファームなどに用いられており、誘導機によるエネルギー利用の高効率化に対して広範な導入効果が見込める機器である。令和４年度はモデルの適用先として風力発電機群のシミュレーションを想定し、速度・出力制御系の改良を行い、また、DFIGの回転子と電力系統と間のエネルギー授受を制御電流源を含む回路により新たに模擬した。作成したモデルが風速変動などに対し安定に動作し、風速変動時の制御法など様々な検討に利用できることを確認した。
本研究を通し、陽解法と陰解法とを組み合わせた安定性が高い計算手法を適用したDFIGモデルを提案した。提案手法に基づき、速度・出力制御系等を付加したDFIGモデルをXTAP上で開発した。そのモデルを用いて系統シミュレーションを行い、提案手法が過渡的な運転状態を含めてかご形誘導機に加えてDFIGにも適用できること、また、本モデルが過渡特性を含むエネルギー効率向上の検討に利用できることを確認した。