2017 Fiscal Year Research-status Report
Correlated oxides/atomically thin semiconductors heterostructures for steep-slope transistors applications
Project/Area Number |
17K14658
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 真人 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (00748717)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | スティープスロープ / 遷移金属ダイカルコゲナイド / 強相関酸化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、急峻な金属絶縁体相転移を示す強相関酸化物と、優れた電界制御性を持つ二次元半導体とのヘテロ構造を用いることで、既存の理論限界を超えるスイッチング特性を示すトランジスタの作製を試みている。ここまでの研究において、強相関酸化物である二酸化バナジウムをマイクロ細線上に加工し、その表面上に二次元層状半導体である二硫化モリブデンを転写することで、はじめてヘテロ構造の作成に成功している。また、そのヘテロ接合においてショットキー接合のような整流作用を観察した。この結果は、二酸化バナジウムと二硫化モリブデンとの接合においては、その界面での電荷輸送が通常のバンド理論を用いてある程度理解できることを示しており、強相関電子系/自由電子系界面の電荷輸送特性に新たな知見をもたらした。 また、二酸化バナジウム/二硫化モリブデンヘテロ構造の上に、さらに層状絶縁体である六方晶窒化ホウ素を転写することで、世界で初めて二酸化バナジウムを直接電極として持つトランジスタの作製に成功した。作製したトランジスタにおいて、二酸化バナジウムの金属絶縁体相転移に由来する急峻なオン・オフスイッチングを観察した。このときのスイッチングの急峻さを示すS値は、MOSFETの理論限界に匹敵するものであり、単結晶二酸化バナジウムの利用などトランジスタ構造の改善によって、さらに急峻化できることも示した。ここまでに得られた結果は、強相関酸化物/二次元半導体ヘテロ構造を用いた超低消費電力トランジスタの実現を大いに期待させるものである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、予定していた二酸化バナジウムと遷移金属ダイカルコゲナイドとを用いたヘテロ構造の作製に成功しただけではなく、平成30年度に予定していたヘテロ構造トランジスタの動作も実証することができた。さらにはトランジスタの動作原理に対する考察も進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、強相関酸化物/二次元半導体ヘテロ構造トランジスタのスイッチング特性のさらなる急峻化を目指す。具体的には、これまでは多結晶二酸化バナジウムを用いていたが、今後は単結晶を用いる。
|
Causes of Carryover |
当初購入を予定していたものに比べ、より安価な光学顕微鏡を購入したため。
|
Research Products
(10 results)
-
-
[Journal Article] Virtual substrate method for nanomaterials characterization2017
Author(s)
Da Bo、Liu Jiangwei、Yamamoto Mahito、Ueda Yoshihiro、Watanabe Kazuyuki、Cuong Nguyen Thanh、Li Songlin、Tsukagoshi Kazuhito、Yoshikawa Hideki、Iwai Hideo、Tanuma Shigeo、Guo Hongxuan、Gao Zhaoshun、Sun Xia、Ding Zejun
-
Journal Title
Nature communications
Volume: 8
Pages: 15629~15629
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-