2017 Fiscal Year Research-status Report
量子ドット超格子太陽電池におけるホットキャリアダイナミクスの解明
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17K14659
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
原田 幸弘 神戸大学, 工学研究科, 助教 (10554355)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ホットキャリア / 太陽電池 / 量子ドット超格子 |
Outline of Annual Research Achievements |
InAs/GaAs量子ドット超格子では、InAs量子ドット積層数とGaAs中間層の厚さに応じて電子的な結合状態が変化するため、積層構造によって光応答特性の制御が可能となる。本研究では1次元状態密度を有するInAs/GaAs量子ドット超格子太陽電池におけるホットキャリアダイナミクスを理論と実験の両アプローチから解明し、ホットキャリアを利用した高効率な電流取出しの実現を目的とする。平成29年度は、時間分解フォトルミネッセンスによって評価したホットキャリアダイナミクスを理論解析結果と比較・検討し、InAs/GaAs量子ドット超格子におけるホットキャリアダイナミクスにAuger過程が与える影響を明らかにした。さらに、量子ドット超格子に印加される内部電場を低減させるためにフィールドダンピング層を導入したInAs/GaAs量子ドット超格子太陽電池を作製し、ホットキャリア電流の取り出しの評価を行った。具体的な研究成果は以下の通りである。 〇時間分解フォトルミネッセンスによって評価したホットキャリアダイナミクスの励起光強度依存性から、励起パルス光入射後~0.3 ns以下の時間領域において、Auger過程に起因する高いホットキャリア温度がInAs/GaAs量子ドット超格子において実現されることを明らかにした。 〇フィールドダンピング層を導入したInAs/GaAs量子ドット超格子太陽電池において、ホスト結晶であるGaAsのバンドギャップエネルギー以下の入射光を用いて電流―電圧特性を測定し、ホットキャリア電流の取り出しを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホットキャリアを利用した高効率な電流取出しの実現に不可欠となる、ホットキャリア電流の取り出しを量子ドット超格子太陽電池において実証できた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、平成29年度の研究成果をもとにInAs/GaAs量子ドット超格子太陽電池におけるホットキャリア型太陽電池動作を実証する。
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Causes of Carryover |
InAs/GaAs量子ドット超格子太陽電池におけるホットキャリア型太陽電池動作の実証に向けて、励起光源を平成30年度に新規導入するために次年度使用額が生じた。
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Research Products
(11 results)