2019 Fiscal Year Annual Research Report
Radiation-hardened Design for Low-power Supercomputers
Project/Area Number |
17K14667
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
古田 潤 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 助教 (30735767)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ソフトエラー / 重イオン / SEU / フリップフロップ |
Outline of Annual Research Achievements |
組み合わせ回路の遅延時間を考慮した耐ソフトエラーフリップフロップの提案を行った。組み合わせ回路遅延が大きい場合には、スレイブラッチで生じるSEU(一過性のの保持値の反転)が次段のフリップフロップにクロック信号よりも先に到達することがないため、スレイブラッチでのSEUは無視することができる。最終年度ではこの特性を利用してマスターラッチのみに着目した放射線対策の検討を行った。 提案する耐ソフトエラーフリップフロップではマスターラッチの耐性を高めるためにスレイブラッチを通過した後の信号をマスターラッチにフィードバックさせる構造とした。これによりマスターラッチで放射線による反転が起きても、フィードバックによる遅延によってフィルタリングされ、エラーが除去される構造である。 この提案フリップフロップを65nm FDSOIプロセスを利用して試作し、重イオンを照射して放射線耐性の実測評価を行った。Linear energy transferの値が15 MeV-cm2/mgのArイオン照射時には通常のフリップフロップと比較して約100倍の耐性を持つことを確認した。一方でLETの値が40MeV-cm2/mgのKrイオンの場合では耐性の向上は確認できるものの、その向上量が減少し、10倍程度となることが判明した。この原因として、フィードバックの遅延がエラーをフィルタリングするのに十分でないことが考えられる。
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Research Products
(2 results)