2018 Fiscal Year Research-status Report
無線全二重通信ネットワークにおける理論解析手法の開発とプロトコル設計
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17K14681
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
眞田 耕輔 三重大学, 工学研究科, 助教 (30777545)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 無線全二重通信 / 理論解析 / MACプロトコル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は, まず前年度に得られた無線全二重通信ネットワークの理論解析において基幹部分となる無線全二重通信MACの動作のモデル化とネットワーク層のモデル化をまとめた. そのうちMAC層のモデル化に関する内容を国際会議にて発表, 現在論文誌への投稿準備中である. ネットワーク層のモデル化に関する研究内容はすでに論文誌へ採録済みである. 平成30年度の実施する研究項目として, トランスポート層のモデル化, ネットワークトポロジによらない解析を予定していたが, 研究の順番を変更し, 現在得られている知見から無線LANをと対象として全二重通信ネットワークにおけるMACプロトコルの提案を行った. 無線全二重通信の性能を引き出すためのバックオフ手法を提案し, 特に隠れ端末による衝突の影響の大きい全二重無線LANにおける提案手法の有効性を示すことに成功した. これらの内容に理論解析に基づく評価を追加したうえで, 論文誌への投稿を進めていく予定である. 平成30年度に得られた成果は, 国際会議, 国内研究会にて発表を行った. また, 平成30年度の補助金は, 計算用ソフトウェアおよび計算機, ネットワーク実験のための実験機および消耗品, 主に国内/海外発表のための旅費に当てられた. 今後の研究計画として, アプリケーションを考慮した解析として, トランスポート層のモデル化, ネットワークトポロジによらない解析を進めていく. また, 高速パケット伝送であるフレームアグリゲーション技術を無線全二重通信ネットワークへ適用した際のネットワーク特性の影響を数理的に明らかにしていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では, 基幹部分となるMAC層の解析のモデル化から上位レイヤへと解析を進めていく. そのうち, MAC層のモデル化と基本的なネットワーク層のモデル化までを初年度に行っている. 平成30年度予定していた項目として, アプリケーションを意識した解析であるトランスポート層のモデル化, ネットワークトポロジによらない解析であったが, 研究の順番を若干変更し, 現段階で得られている知見から, さきに無線全二重通信ネットワークにおけるMACプロトコルの提案を行った. これらの成果から申請者の研究計画はおおむね順調に進展していると結論づけられる.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に得られたMAC層のモデルとネットワーク層のモデル化を用いて, 本年度はアプリケーションを意識した解析へと発展させていく. 具体的には高速パケット伝送技術であるフレームアグリゲーションを考慮した解析, トランスポート層のモデル化, ネットワークトポロジによらない解析を進めていく.
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