2019 Fiscal Year Annual Research Report
Channel Allocation based on Beacon-coupled Non-linear Oscillators in Distributed Wireless Networks
Project/Area Number |
17K14686
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Research Institution | Tokyo Metropolitan College of Industrial Technology |
Principal Investigator |
稲毛 契 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (80759506)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非線形振動子 / 無線分散ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
非線形振動子の位相に基づいてパルス信号を周期的に送信し、周囲の端末がパルス信号を受信して自身の振動子に引き込むことで干渉関係にある端末は非同相、干渉関係にない端末は同相となるような位相状態を自律分散的に生成することができる。昨年度までに干渉関係にある端末が同相とならない、位相状態が最適な状態へ収束する確率を95%以上とすることに成功していた。しかし、これは端末の配置が規則的な場合に限定され、不規則配置の場合には位相状態が理想となるように収束する確率が大きく低下することが判明した。実際の無線分散ネットワークでは規則的に配置できることは希で、不規則性を持っている場合でも正しく干渉関係に応じた位相情報を生成することが望まれる。この問題に対し、本年度は位相の状態遷移について細かく解析を行った。その結果、配置に不規則性がある場合、干渉関係にある端末・干渉関係にない端末からのパルス信号について平均受信電力が離散化されないことが問題であり、また干渉関係にある端末群の間でも平均受信電力に大きな差がでることが主原因であることが明らかになった。これは干渉関係にある端末でも複数の端末が相互に引き込みを行いバランスを取ること理想的な状態が生成されるように手法が設計されている。以前の手法ではしきい値以上の受信パルスは一定の固定値に変換して引き込みを行い、自身の振動子との位相差に応じて引き込み強度を決定していた。その為、干渉強度が強く本来は最優先で位相差が発生するように引き込まなければならない端末と干渉強度が小さくそれほど大きく引き込まなくても良い端末との優先順位が崩れることが多数発生する手法になっていた。そこで引き込み強度に干渉強度を引数とする飽和特性を持つ関数を用いることで理想状態への収束確率を改善することができた。
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