2017 Fiscal Year Research-status Report
ディープグリアニューラルネットワークの開発と信号処理への応用
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17K14687
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
生田 智敬 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 助教 (70757319)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ニューラルネットワーク / グリア / 機械学習 / ノイズ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究計画では、ディープグリアニューラルネットワークの構築を行うことであった。また、ディープグリアニューラルネットワークの開発に合わせ様々なパラメータや働きについて考察を行う。グリアは近年注目されるようになった脳内に存在する細胞であり、イオンを介した情報伝達を行っていることが示唆されている。本研究では、このグリアの特徴をモデル化しディープニューラルネットワークへ応用する。 本年度は、5層の階層型ニューラルネットワークに対して同期したパルスを生成し入力するディープグリアニューラルネットワークについて開発及び考察を行った。このモデルでは、5層の階層型ニューラルネットワークの隠れ層ニューロンのしきい値にパルス状の入力を加える。このパルスの入力法として、すべてのパルスがランダムに生成される場合、異層間で同期した場合を含め様々な条件下でパルスを入力する比較を行った。これは、外部からの入力が意図的に行われている場合と確率的に行われている場合を比較したもので、その入力にグリアが介在していると想定している。また、同期したパルスによる入力で学習性能が向上するのであればパルス生成に必要な計算コストを削減することができる。 実験の結果、ランダムにパルスが生成される場合と同期して生成される場合においてほぼ同程度の学習性能を有することが分かった。また、同期パルスを用いることで計算コストが約三分の二程度に抑制できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の中心となるディープグリアニューラルネットワークを提案し、様々な条件下における学習効率の違いについて考察を行っており、概ね順調に進捗していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画で示した課題を遂行していく予定である。特に、より詳細なグリアの特徴をモデル化しニューラルネットワークに与える影響を考察していく。また、本年度の研究成果より階層型ニューラルネットワークの学習性能向上にパルスが有効であることが示されたため、パルスの入力方法や発生方法を含めより詳細なネットワークに対するパルスの働きを調査する。さらに、提案したネットワークに対する一般的な学習データセットを用いた比較や新たな学習データセットの構築も併せて取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
日程の関係で予定していた国際学会への参加が困難となったため。また、研究協力を依頼する予定であった研究員が留学等の諸事情により確保できなかったため。
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Research Products
(2 results)