2018 Fiscal Year Research-status Report
確率的なダイナミクスを有する線形系に対するロバスト制御理論の高度化
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17K14700
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細江 陽平 京都大学, 工学研究科, 助教 (50726411)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 制御工学 / 確率系 / 線形行列不等式 / 確率的動特性 / 不確かさ / 出力フィードバック / データ同化 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,フランスの研究所へ長期出張し,主として確率系の出力フィードバック制御について研究を行った.申請者の制御理論では従来,確率系(動特性が確率的であるようなシステム)の内部状態が測定できない場合には安定化を達成することが難しいという問題があったが,そのような場合にも,測定可能な出力のみを用いて安定化を達成する方法を2つ検討した.1つは,出力フィードバック制御器を設計できるような理論を整備するという正攻法に関するもので,制御器が静的な場合についてそのような設計を可能にする条件式を導くことができた.またもう1つは,データ同化手法と申請者の確率系制御理論を組み合わせて自動制御を達成するもので,基礎的なアルゴリズムを開発し,数値実験を通して良好な結果が得られることを確認した.後者については,確率系の状態推定だけでなく,系の背後にある確率分布のモデル化も行えることが数値的に確認できている.また,上記課題と並行して,系の確率的動特性を決めるランダム行列がランダムポリトープで表される不確かさをもつ場合に,その不確かさのもとでさまざまな制御性能を保証する制御器を設計することを可能にする,汎用的な線形行列不等式導出法について検討した.これらの研究成果は,事前に厳密なモデルを得ることが難しい制御対象に対して,制御器が観測データからその特性を自律的に推定しつつ制御を行うことを可能にするための基礎技術に相当するものであり,その発展によって実社会のさまざまな課題の解決につながるものと期待している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初確率系のH2制御理論の整備に取り組む予定であったが,共同研究者が所属するフランスの研究機関への長期出張が実現したため,次年度に遂行予定であったよりチャレンジングな課題を前倒しして遂行した.この関係でH2制御理論に関する検討があまり進まなかったものの,すでに想定される問題はすべて解決できている状況であるので,全体の進捗としてはおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画の内容はほぼすべて達成できた状況であるので,公表できていない成果を積極的に学術誌等へ投稿する予定である.
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Research Products
(7 results)