2017 Fiscal Year Research-status Report
材料構成に基づいたフライアッシュの強度発現性能評価と高耐久コンクリートへの応用
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17K14708
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小川 由布子 広島大学, 工学研究科, 助教 (30624564)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フライアッシュ / セメント種類 / 置換率 / 圧縮強度 / セメント有効係数 / 細孔構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、フライアッシュの強度発現性能を表すセメント有効係数(k値)について、早強ポルトランドセメントをベースとして再整理し、置換率のほかフライアッシュおよびセメントの材料特性を総合した指標で定式化することを目的としている。平成29年度は、コンクリートを対象とし、早強ポルトランドセメントをベースとした場合のk値を算出し、k値とフライアッシュの反応率との相関を確認するため、ペースト部を対象として反応率等の検討を要素実験として行った。フライアッシュは、JIS A 6201のII種に適合するものを使用した。水結合材比は30%および50%とし、フライアッシュの置換率は、セメント質量に対し0%、20%および40%とした。セメント有効係数を算出するため、早強ポルトランドセメントのみを使用した場合については水セメント比40%および60%の配合も用意した。空気量は、5.0%±0.5%となるように混和剤を使用して調整した。打込み後、すべての供試体の養生は20度での封緘養生とした。なお、比較のため、普通ポルトランドセメントを用いた場合についても同様に検討した。ペーストを対象とした要素実験では、フライアッシュのポゾラン反応による水酸化カルシウム消費量を求めるほか、選択溶解法を用いたフライアッシュの反応率試験、水銀圧入法を用いた細孔径分布試験を行った。この結果、早強ポルトランドセメントを使用した場合のk値は、普通ポルトランドセメントをベースとした場合より小さい傾向にあった。長期材齢についても検討を進める必要がある。なお、置換率が大きくなるにつれて、k値は小さくなり、既往の結果と合致している。ペーストを対象とした要素実験における、フライアッシュの反応率、水酸化カルシウム量、細孔構造について、概してベースセメントの違いによる相違はほとんど見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績に示したとおり、早強ポルトランドセメントをベースセメントし、フライアッシュを混和したコンクリートの圧縮強度発現に対するフライアッシュの貢献度についての検討を行い、要素実験としてペーストを対象とした実験を行なった。計画内容について、長期材齢における検討以外、すべて終了しており概ね順調に進展していると評価した。ただし、とりまとめについては、長期材齢も含める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成29年度研究成果に継続して、長期材齢における各種試験を実施し、総合して、k値対する各種要因を整理する。また、k値に対する温度の影響について、モルタル供試体を対象として実験および検討を行い、フライアッシュおよびセメントの材料特性と配合条件からフライアッシュの強度発現性能を予測する手法について、温度の影響を考慮し、材料設計手法の確立を目指す。取りまとめた内容について、積極的に発信する。 さらに、予定している計画に従って、平成29年度に実施した内容に対する養生環境の影響として、温度の影響および湿潤の影響を検討する。
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