2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K14726
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
野々山 栄人 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 助教 (00624842)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 杭基礎 / 可視化 / 数値解析 / 模型実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は土を模擬した透明粒子(石英)と,その粒子と同じ屈折率を有する整合液を用いて透明模型地盤を作製し,杭基礎に鉛直・水平といった外力を作用させたときの杭基礎およびその周辺地盤の変形挙動を時間的に連続可視化する方法の確立を目指すものである. 平成30年度は,杭の水平載荷装置を開発し,珪砂および透明土を用いて地盤条件等を変えて単杭の繰返し水平載荷・可視化実験を実施した. 具体的には,まず,試験試料に珪砂を用いて,肉厚の異なる模型杭を用いた水平載荷試験を実施した.その結果を踏まえて,本装置に適した杭を選定した.次に,透明土を用いて,緩い地盤条件と密な地盤条件で,単杭の繰返し水平載荷可視化実験を実施した.地盤内の変形の様子を可視化するために,着色したカラートレーサー粒子を地盤内に配置し,2台のカメラで載荷中の様子を同期撮影した.得られた画像を用いて三次元PTV画像解析することで,繰返し載荷中の粒子の三次元的な動きを連続的に追跡することに成功し,杭を押すときと引くときで地盤内の挙動が異なることが観察された.また,杭自体にもトレーサーを付け,杭とトレーサー粒子の相対変位を求めたところ,緩い地盤では,深さ方向によらず同様の傾向が得られ,密な地盤では浅い位置ほど大きな相対変位が得られたことからも,地盤の密度の違いによって地盤内の変形挙動が異なることが観察できた.杭の繰返し載荷によって,地盤内の密度分布が変化し,それに伴って粒子の移動が変化することも観察できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は,杭の水平載荷試験装置を開発し,杭周辺の地盤の変形挙動ならびに杭自体の可視化に成功したことからも,おおむね順調に進展していると判断できる.今後は,本申請課題の目的である鉛直載荷と水平載荷を組合せた実験条件下における杭基礎およびその周辺地盤の変形挙動を把握する実験を実施する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は,これまでに得られた知見を基にして,載荷条件,杭基礎の条件,地盤条件を変えて杭基礎の可視化実験を実施し,可視化結果をベースに地盤-杭基礎の相互作用モデルを検討する.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として,消耗品の購入等が計画より少なかったため.
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