2018 Fiscal Year Research-status Report
超過洪水の被害軽減のためのデータ同化による高精度・高空間分解能の水位予測技術
Project/Area Number |
17K14728
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
星野 剛 北海道大学, 工学研究院, 博士研究員 (40750625)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大量アンサンブル気候データ / データ同化 / 洪水リスク / 粒子フィルタ |
Outline of Annual Research Achievements |
水位予測の入力情報となる降雨の時空間分布データを大量アンサンブル気候データの力学的ダウンスケーリングにより作成した。数千パターンの大雨事例を用いることで過去数十年の降雨観測記録からでは把握が困難である降雨の時空間的な特徴を分析可能となった。過去の気候と温暖化が進行した後の気候での降雨パターンを比較すると、温暖化進行後では年最大の降雨イベントは降雨量を増大するとともに時空間的に集中化することがわかった。この膨大な降雨情報と今年度実施予定の降雨流出モデルの適用および河川流のデータ同化手法とを組み合わせることにより、降雨パターンごとの水位予測スキルの評価が可能になる。また、昨年度は複数の支川を有する流域において支川の流量ハイドログラフの違い(ピーク出現時間の相違、流量の大きさ)が与える影響を感度分析から検討し、影響が大きく予測水位の振れ幅が大きくなりやすい箇所やその河川の特徴を把握した。温暖化進行後の気候における降雨の集中化は水位予測スキルに影響を与えるものと考えられることから、来年度の研究では降雨流出モデルを用いることにより降雨パターンの違いが水位予測スキルに与える影響を明らかにする。降雨流出モデルと河川流モデルとを組み合わせることにより、昨年度実施した各支川の流量ハイドログラフの時間差の影響を大量アンサンブル降雨データから検討可能であり、ピーク水位が変動しやすい箇所を起こりうる大量の降雨パターンから評価可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに研究は進んでおり、一昨年度は支川の流量ハイドログラフのパターンの違いがピーク水位に及ぼす影響を明らかにし、昨年度は大量アンサンブル気候データの力学的ダウンスケーリングにより膨大な大雨情報を作成し、降雨パターンの分析を完了した。来年度予定している降雨流出モデルを組み合わせたデータ同化手法の作成により、これらの成果を組み合わせた水位予測手法の構築が可能となる。
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Strategy for Future Research Activity |
降雨流出モデルと河川流モデルを組み合わせたデータ同化手法を構築し、降雨情報を入力値とした水位予測を実現する。また、作成した膨大な降雨情報を用いて、降雨パターンと観測点の空間分布が水位予測スキルに与える影響を明らかにする。
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[Presentation] 北海道における気候変動に伴う洪水外力の変化2018
Author(s)
山田朋人, 星野剛, 舛屋繁和, 植村郁彦, 吉田隆年, 大村宣明, 山本太郎, 千葉学, 戸村翔, 時岡真治, 佐々木博文, 濱田悠貴, 中津川誠
Organizer
土木学会2018年度河川技術に関するシンポジウム
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[Presentation] 実河川流域における大量アンサンブル気候予測データに基づく不確実性を考慮した将来気候下での確率雨量2018
Author(s)
舛屋繁和, 植村郁彦, 吉田隆年, 大村宣明, 千葉学, 戸村翔, 山本太郎, 時岡真治, 佐々木博文, 濱田悠貴, 星野剛, 山田朋人
Organizer
土木学会第63回水工学講演会
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[Presentation] 実河川流域における大量アンサンブル気候予測データに基づく年最大流域平均雨量の算定2018
Author(s)
植村郁彦, 舛屋繁和, 吉田隆年, 大村宣明, 千葉学, 戸村翔, 山本太郎, 時岡真治, 佐々木博文, 濱田悠貴, 星野剛, 山田朋人
Organizer
土木学会第63回水工学講演会
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