2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of integrated physics and socio-economic value evaluation model for forecast of tidal flat
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17K14732
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田井 明 九州大学, 工学研究院, 准教授 (20585921)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 河口干潟 / d4PDF |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,大分県中津干潟および熊本県白川河口干潟および内湾の土砂輸送とその価値評価に関する研究を実施した.まず,干潟のモニタリングを行い,地形および生物分布の季節変動およびアサリ生息密度と土壌のクロロフィルa濃度との関連について調べた.地形および生物分布の季節変動では,RTK-GNSSを用いた高精度測量と共にドローンを用いた干潟における低空リモートセンシング技術の開発も実施した.モニタリング結果より,干潟地形の季節変動特性を定量的に解明することに成功した.また,生物生息場も地盤高変化に伴う土壌環境の変化に大きく影響していることが示された.次に,本研究では,内湾浅海域における底質輸送の解明を目的とし,有明海諫早湾内での土砂動態に及ぼす波・流れの影響の把握を試みるために数値シミュレーションを行った.その結果,潮流のみを考慮する場合よりも潮流と波浪の双方を考慮した場合の方がより現地観測に近い結果を得ることが出来た.従って,浅海域における底質輸送を考える際には潮流と波浪の双方を考慮する必要があることが示された.将来の河川流量の変化は干潟環境へ大きな影響をもたらす.本研究では,これまでにない多数のアンサンブル実験を行うことによって,確率密度分布の裾野にあたる極端気象の再現と変化について十分な議論ができるように作成された大規模アンサンブル実験のデータベースであるd4PDF「地球温暖化対策に資するアンサンブル気候予測データベース:database for Policy Decision making for Future climate change」を用いて,九州地方を対象に将来の豪雨変化および貯留関数法を用いた流出量の予測をおこなった.将来の河川流出量を定量的に評価することが可能になり,将来の干潟環境予測に有効なデータを得ることができた.
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Research Products
(3 results)