2017 Fiscal Year Research-status Report
The development of statistical models for dirty spatial data
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17K14738
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
瀬谷 創 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (20584296)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 空間統計 / 欠損値補完 / 交通工学・国土計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ランダムでない欠損や外れ値などを含む“dirty”(不完全)な空間データに対する統計分析手法を開発するものである.具体的には,非ランダムなデータ欠損への対処法であるサンプルセレクションモデル,外れ値に頑健な無条件分位点回帰モデルといった計量経済学分野で発展したdirty(不完全)データへの対処手法を空間データの統計分析に応用し,パラメータの推定手法を提案する.これにより,データ・手法上の制約から土木計画において従来困難であった実証分析への道を拓き,いくつかの新しい事例分析を行う. 平成29年度は,モデル開発を行った,具体的には, (1.1)非ランダムな欠損データのための空間計量経済モデルの開発 (1.2)外れ値に頑健な空間計量経済モデルの開発 を実施した.このうち,(1.2)は完成し,論文を投稿中である.(1.2)には,Firpo(2009) [Unconditional Quantile Regressions, Econometrica] によって提案された無条件分位点回帰モデルを,空間計量経済学分野の空間自己回帰モデルに応用し,実地調査で取得した広島市の駐車場価格データに適用した.また,ベイズ統計学に基づくモデルのパラメータ推定方法を提案した.(1.1)も,Heckmanのサンプルセレクションモデルを応用する形で,モデルの開発は概ね完成した.こちらは,ガソリンスタンドの価格競争や撤退の分析に応用する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に予定していた2つのモデル開発のうち,1つは完成し,論文を投稿中である.もう1つも,モデルは概ね完成して一定の目処がたったため,おおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度のモデル開発を継続するとともに,平成30年度実施予定の内容(実証分析やモデルの高度化)を行っていく.最終的には,統計ソフトウェアとしての整備を予定している.
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