2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Dynamic traffic control simulator in a social network under emergency circumstances
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17K14739
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浦田 淳司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (70771286)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 避難行動 / 動的計画法 / 相互作用 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
他者支援行動を考慮するため,他者の選択行動の影響及び支援ネットワークの形成過程のモデル化を行った.他者の選択行動の影響評価には,ローカルインタラクションモデルを適用した.このモデルは情報を共有する他者の避難の意思決定(避難選択確率)が自分の意思決定に影響を与える現象を評価する.これにより,集落内での避難の伝播過程を表現できる.ネットワーク形成過程の評価には,二者間のリンク形成を比較し,形成するネットワークを定めるモデルを構築した.二つのモデルについて,実行動データを用いたパラメータ推定を行い,モデルの構造の有効性を確認した.また,二つのモデルと推定したパラメータを用い,シナリオシミュレーションにより,率先避難及び避難情報による避難選択への影響を評価した.特に,当研究の統合モデルは,近くの他者の率先的な避難が他の他者の避難へと伝播する現象である率先避難を評価可能としたことは,大きな成果である. 動的制御にあたり,避難行動者の動的意思決定過程を明らかにするため,動学的意思決定モデルを構築した.特に,災害時の意思決定特性を反映するため,将来状態の予測に認知誤差がある状況を仮定した.通常,均衡(完全情報)下であれば,将来効用の認知は正確に行われると仮定するが,災害時は均衡は成り立っておらず,将来状況の正確な認知も難しい.そこで,動的意思決定モデル内の将来効用は,一定の範囲で,正確な将来効用からは離れうると仮定したモデルを構築した.モデルの仮説検証は,東日本大震災における実データを用いて行った.通常モデルよりもモデル尤度が高まることを,シミュレーション予測等により確認した.当研究により,災害時の状況を反映した動的意思決定モデルを構築できたことは大きな成果である.避難開始選択の場面では,不確実な将来状況を考えた意思決定が生じており,新たなモデル構築により,その反映を可能にした.
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Research Products
(1 results)