2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on reinforced concrete beam with structural slits
Project/Area Number |
17K14758
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Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
渡邊 秀和 国立研究開発法人建築研究所, 構造研究グループ, 主任研究員 (20620636)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 構造スリット / 応力調整 / 非耐力壁 / 十字形部分架構 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,鉄筋コンクリート造(以下,RC造)建物には構造計画上以外の様々な理由で,架構に垂れ壁および腰壁などの非耐力壁が計画されることが多い。最近の研究では,このような非耐力壁を有効に利用するために,壁厚を厚くし配筋を強化した壁を用いた研究が報告されている。一方で架構に張り出し長さの長い壁が取付く場合は,当該壁端部に応力が集中し,変形の小さい段階で損傷が大きくなる可能性がある。このような壁端部の損傷を抑制することを目的として,壁端部で壁筋をカットオフした機構を有する部材の実験が報告されている例えば。本研究では,このような壁端部の損傷を抑制する機構を応力調整機構と称する。本研究では,腰壁・垂れ壁・袖壁が取付いた十字形部分架構を対象として,壁端部に応力調整機構を設けた場合の部分架構の構造性能の把握を目的として静的加力実験を実施した。実験では,3体の試験体を用いて実験を行い,変動要因は応力調整機構の有無と構造スリットの有無である。 応力調整機構のない試験体の破壊モードは袖壁の損傷を伴う梁崩壊型になった。限界変形角は正負共に層間変形角R=1/33radとなった。応力調整機構を設けた試験体2体は,応力調整機構によって壁端部の応力が緩和され,袖壁の損傷がない梁崩壊型の破壊モードになった。一方で,最大耐力付近のサイクルの2周目では,ピーク時のせん断力が1周目に比べて低下する傾向が見られた。また,実験によって試験体に取付く梁部材の構造性能についての知見を得た。
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