2019 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of indoor thermal environment considering change of micrometeorology by garden planting around residential building
Project/Area Number |
17K14769
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
河合 英徳 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (00735376)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 微気象 / LES / 植栽 / 換気 / 乱流構造 / 建物熱負荷計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度検討を行った熱放射解析と数値流体計算の連成解析手法において植栽の空気力学抵抗と顕熱フラックスのモデルの導入を試みた。植栽の抵抗モデルはLAD(葉面積密度)と植栽の抵抗係数によって抗力を運動量保存式とエネルギー方程式に与えるモデル(Shaw and Schumann, 1992)を,樹木の顕熱フラックスは樹木の熱収支に基づいて鉛直方向の熱交換係数を定めるBrown and Covey(1966)のモデルを用いた。 さらに,植栽の熱環境効果を確認するために,植栽が入った市街地のLES(Large Eddy Simulation)を実施した。本研究では,市街地を対象として屋外空間の熱環境緩和に効果的な植栽な配置として,植栽を10m×20m程度の領域に集中的に配置したケースと分散して配置したケースに関するLESを実施し,その気温低減効果を植栽のないケースと比較した。その結果,植栽を10m×20m程度の領域に集中的に配置したケースでは植栽を分散して配置したケースと比べて0.5℃程度の気温低下がみられた。一方で分散配置したケースでは対象市街地の広い範囲において植栽のないケースと比較して1~3℃の平均気温の低下が確認された。また,地表近傍の温度場,風速場の乱流構造を確認したところ,屋外空間にも空間スケールが3~4m程度の詳細な網目状の温度場の乱流構造が確認され,構造が瞬間的な気温の上昇,下降に影響を及ぼすことが示唆された。 本研究の当初計画では等温のLESの結果に基づき開口部近傍の微気象ゾーンモデルを構築する計画であったが,本年度の研究結果は地表近傍の乱流構造が熱的効果によって変化することを示唆するものであり,地表近傍に形成される局所的な温度場の分布のモデル化が課題である。
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