2017 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Utilization and Community Cooperation towards Citizen Opening of the Waterside
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17K14787
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
菅原 遼 日本大学, 理工学部, 助教 (10755432)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 水辺空間活用 / かわまちづくり支援制度 / ミズべリングプロジェクト / 行政 / 民間 / 中間組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、国内外の水辺空間利用の動向とそれを支える仕組みの特徴を捉えるため、国内事例4カ所(東京都隅田川、横浜市大岡川、和歌山市市堀川、北九州市神獄川)と国外事例2カ所(ニューヨーク・イースト川、コペンハーゲン・コペンハーゲン川)の現地調査を実施した。国内事例では、「かわまちづくり支援制度」や「ミズべリングプロジェクト」などの行政主導による施策展開を機に、水辺活用に向けた民間主導による中間組織が形成され、こうした組織が核となり多様な組織・団体が連携し合うことで、水辺の賑わい創出へと貢献している動向を把握した。国外事例では、水辺の賑わい創出における行政と民間の係わり方の一例として、ニューヨーク市ブルックリン・ブリッジ・パークにおける水辺空間の整備過程やブルックリン・ブリッジ・パーク・コーポレーションの活動展開の整理を行った。 しかし、2017年度の研究活動では、学務との兼ね合いや現地調査におけるヒアリング対象者との日程調整の関係から、事例調査および現地調査を十分に行うことができなかった。そこで、2018年度はさらなる国内外調査を実施し、こうした水辺を媒介とした中間組織の特徴やその役割を明らかにし、水辺のまちづくりにおける行政と民間の係わり方の体系化を検討していく予定である。 調査成果の発信状況としては、横浜市およびニューヨークの調査成果は、それぞれ国内シンポジウムにおいて成果報告を行った。また、ニューヨークの調査成果は、2018年度の日本建築学会大会(東北)における成果報告が決定している。さらに、国内調査の成果の一部は、「ミズべリングプロジェクト」の活動報告として活用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要にも示した通り、2017年度は、国内事例4カ所・国外事例2カ所の現地調査を実施し、各事例の水辺利用動向やその経緯、それを支え得る法制度や連携体制、キーマンの存在などの分析を行った。また、「かわまちづくり支援制度」の対象地域157カ所についても、各事例における水辺空間利用の動向の把握を行い、各事例のデータシート作成を進めている。以上の事例抽出および現地調査については、学務やヒアリング調査者との日程調整の関係上、現状では十分には実施できていない。2018年度も引き続き調査を実施していく。また、2018年度については、「かわまちづくり支援」だけでなく「ミズべリングプロジェクト」にも事例抽出の対象を拡大し、先ずは水辺空間利用の動向整理を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度については、かわまちづくり支援制度およびミズべリングプロジェクトにおける取り組み内容や取り組み主体、実施場所、実施時期などの把握・整理を行い、加えて、河川空間特性と諸主体の係わり方の関連性を検討した上で、現地調査の事例抽出を進める。調査対象地の選定に際しては、水辺空間活用の特徴に応じて、適宜、国内外事例の追加および入れ替えを検討する。 現地調査については、2018年度は国内事例6カ所および国外事例2カ所での調査を予定している。各事例において現地踏査や関係者へのヒアリング調査、文献調査を実施し、水辺の市民開放に至った経緯やそこに係わる諸主体の関係性、法制度との関連性、取り組み後の課題点などを把握し、水辺の市民開放に至った要因を分析する。また、事例ごとの取り組み推進の核となっている中間的組織の存在に着目し、その役割や求められる専門性に関して整理する。 以上の調査・分析結果を踏まえ、都市の水辺を媒介として形成されている地域社会のをモデル化し、水辺の市民開放に向けた空間利用および地域連携に関する具体的な提案を行う。
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Causes of Carryover |
2017年度の研究活動において、学務やヒアリング対象者との日程調整の関係上、現地調査および資料収集を十分に行うことができなかった。そのため、旅費や消耗品費、設備備品費などの収支計画で2018年度において使用する必要が生じた。2018年度の研究調査においては、事前に申請した研究経費の計画に加え、現地調査追加分の経費も考慮し使用していく予定である。
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Research Products
(3 results)