2021 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the History of Territorial Formation in Venice of Laguna and Terraferma
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17K14792
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
樋渡 彩 近畿大学, 工学部, 講師 (90793696)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ヴェネツィア / ラグーナ / トルチェッロ / マッツォルボ / アルティーノ / ブラーノ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、i)とii)の大きなふたつの柱からなる。 ⅰ)ラグーナ全体については、12世紀から現在までの地図を考察し、変化の過程を丁寧に追った。その成果を、「ラグーナ・ヴェネタの歴史的変遷に関する研究」(日本建築学会大会、2022年9月発表予定、投稿済)としてまとめた。 これまでトルチェッロの島について考察してきたが、新たな島として、マッツォルボに注目した。マッツォルボに着目することで、本土のアルティーノ、ラグーナの中心であるヴェネツィア、そして隣のトルチェッロやブラーノとの関係を考察することができ、ラグーナの発展の背景を推測することが可能となった。空間構造を維持しながらも周辺との関係で、発展、衰退してきたことを明らかにした。この成果は、「マッツォルボにおける空間構造に関する歴史的考察」(日本建築学会大会、2021年9月)としてまとめた。この研究を通して、各島の形成過程を追いながら、周辺との関係を捉え、ラグーナ全体の空間形成の変遷を考察する必要性を感じた。 ii)テッラフェルマからヴェネツィア周辺に注ぐ河川・運河の流域については、18世紀末のアントン・フォン・ザック作成の地図から土地利用を把握した。ヴェネト州の山側には水車が多く立地視していることが確認できた。また、アディジェ川にも水車が多く位置していることがわかり、これらの場所には様々な産業が成立していたと推測される。アディジェ川流域の地域構造については、今後の課題とする。
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