2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of mechanical properties of metal-one dimensional carbon nanotube composite by atomic simulation
Project/Area Number |
17K14826
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Research Institution | College of Industrial Technology |
Principal Investigator |
森 英喜 産業技術短期大学, その他部局等, 講師 (00456998)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / アルミニウム / 転位 / 分子動力学法 / フラーレン |
Outline of Annual Research Achievements |
環境問題への対応やエネルギーコスト削減を強く求められる現代社会において、構造材料の軽量化および強度・延性などのさらなる機能向上は最重要課題である。本研究では、軽量なアルミ(Al)を母材として高機能なカーボンナノチューブ(CNT)を補強材として添加したAl-CNT複合材料の機械的特性を分子動力学(MD)法による数値実験を用いて解析を行った。CNTはチューブ構造をした1次元ナノ構造体であるため、Al-CNT複合材料の定量的な解析にはAl中の転位とCNTの直接的な相互作用を評価する必要がある。ここで、転位とは金属中に存在する線状の格子欠陥であり、主に転位の移動によって金属の塑性変形が起こる。 まず、予備数値実験として一本のCNTと転位との相互作用の評価を行い先行実験との整合性を確認およびモデルの妥当性を検証した。次に、数値実験をすすめCNTと転位との多段階に渡る相互作用の評価を行い、転位とCNTの一次元構造特有の相互作用を確認した。さらに、0次元の炭素ナノ構造体であるフラーレンを導入し、転位との相互作用を評価し、CNTと転位との特有の相互作用の存在の妥当性を確認した。また、CNT構造の差異などがAl-CNT複合材料に与える影響を数値実験および古典的転位論の援用によって検討した。また、Alの高精度原子間ポテンシャルの開発も行った。これらの結果は、Al-CNT複合材料における一次元ナノ構造体を有効活用した強度コントロール法の構築必要不可欠な成果である。さらに、一次元ナノ構造体による金属材料強化手法は、Al-CNT複合材料への適用のみならず次世代の高機能高強度な複合材料開発の指針となるものであり、社会的・工学的意義も高いものである。
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Research Products
(4 results)