2017 Fiscal Year Research-status Report
Design principal of self-accommodation microstructure by controlling initial structure of martensitic transformation
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17K14843
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
寺本 武司 神戸大学, 工学研究科, 助教 (10781833)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 形状記憶合金 / 組織形成過程 / バリアント選択性 / 界面エネルギー |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では形状記憶合金のマルテンサイト組織において，マルテンサイト変態時に最初に形成される初期構造の選択性を解明・制御することでその後形成される組織を制御することを目的としている．マルテンサイトプレート間の双晶界面および粒界は有力な組織形成起点となるが，組織形成初期は表面の影響が大きく，形成起点となる双晶界面はいずれも厳密な双晶関係を有しており，弾性ひずみエネルギーの影響が小さいことから，本研究課題では界面エネルギーの大小関係に着目し初期構造の選択性を決定している因子を解明することを試みた．平成29年度では重要なTiNi形状記憶合金において既往の研究で観察された各種双晶界面の界面エネルギーをVASPに基づく第一原理計算により評価し，過去の組織形成過程観察結果と比較することで，界面エネルギーの大きさと初期構造の関係を調査した．
各種双晶界面の界面エネルギーを比較すると，当初の予定と異なり界面エネルギーの大きさはいずれも同程度の大きさであり，組織形成に大きな影響を与えるような差はなかった．また，TiNi形状記憶合金のマルテンサイト組織では{11-1} Type I双晶面がのみ起点となり組織が形成されるが，最も界面エネルギーの大きさが小さかった双晶界面は{100} Compound双晶面であり，初期構造の選択性とそこに含まれる双晶界面の界面エネルギーの大小関係は一致しない．これはTiNiでは母相/マルテンサイト相間の整合性が悪く，この界面の有する界面エネルギーが選択性に大きな影響を与えていることに起因していると考えられる．
次年度は母相/マルテンサイト相間の整合性がよく，この界面の界面エネルギーの影響が小さい合金系を選定し界面エネルギーと初期組織の選択性の関係を解明する．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初期構造を決定している因子を解明するためにTiNi形状記憶合金において，種々の双晶界面の界面エネルギーを評価した．当初の予想とは異なり，双晶界面の種類ごとの界面エネルギーの大きさにあまり大きな差が無く，界面エネルギーの大小関係と組織形成過程の観察結果は一致していない．TiNiは母相/マルテンサイト相間の界面の整合性が悪く，マルテンサイトプレート内に微細な双晶が形成されるため，母相/マルテンサイト相間の界面の整合性が高く単純なマルテンサイト組織を母相/マルテンサイト相の影響も考慮するかその影響が無い材料で研究を遂行する必要がある．そこで，マルテンサイトプレート内に双晶を含まず，母相/マルテンサイト相間のミスフィットの影響が小さいTiNi-Xおよびβチタン合金に合金系を変更し，双晶界面のエネルギーの評価を実施中である．
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| Strategy for Future Research Activity |
H30年度は現在までの進捗で挙げた点を終えた後以下の方策で進める．
TiNi-Xおよびβチタン合金において元素添加により界面エネルギーの大小関係の変化を評価する．その計算結果をもとに実際に合金を作製し，界面エネルギーの大小関係の変化が組織形成過程初期の構造の選択性の変化に与える影響を明らかにすることで，初期構造の選択性を元素添加により制御することを試みる．
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Research Products
(1 results)
