2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of polymer hybrid membranes for carbon capture
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17K14850
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
兼橋 真二 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80553015)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 二酸化炭素 / 膜分離 / 地球温暖化 / コンポジット / ポリイミド / MOF / POP / カーボン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)分離回収を目的としたナノコンポジット分離膜の開発およびそのCO2膜分離システムの高効率化に関するものである。経済性の高いクリーンな分離技術として大きく期待される高分子膜によるCO2分離回収技術の実用化に向け、本研究では①新規なナノコンポジット分離膜の創製、②実際の分離対象ガスに含まれる不純物である水分や酸性ガス存在下での膜分離性能を調査し、膜寿命におよぼす不純物の影響を明らかにする。これらを通し、実際の分離環境でも実用可能な長期安定性能を有するコンポジット分離膜を創製し、高効率CO2分離膜システムの開発を目指す。 2018年度は、前年度に作製した種々のナノコンポジット膜を用いて、酸性ガスの影響として、硫化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物を含むガスを用いた透過試験を行った。金属有機構造体(MOF)であるZIF-8、CU-BTCを使用したナノコンポジット膜の場合、酸性ガス暴露時間の増加とともに気体透過性は著しく減少し、膜構造が大きく変化することが明らかになった。一方、カーボンや多孔性有機高分子(POP)を使用したナノコンポジット膜では、金属系ナノ粒子に比べ、気体透過性の減少は小さく、酸性ガスに対する耐性が高いことが明らかになった。このことから、酸性ガスを不純物に含む燃焼前回収、燃焼後回収、天然ガス精製、バイオガス濃縮等の分野において、カーボンやPOPのような有機系ナノ粒子を使用したナノコンポジット膜が有効であることが示された。またナイフキャスティング法によるナノコンポジット膜の薄膜(TFC)の作製も検討した。
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