2017 Fiscal Year Research-status Report
Fluoride-free synthesis of CHA-type aluminophosphate crystals and membranes
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17K14853
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Research Institution | Research Institute of Innovative Technology for the Earth |
Principal Investigator |
瀬下 雅博 公益財団法人地球環境産業技術研究機構, その他部局等, 研究員 (50708584)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | CHA / Aluminophosphate / Fluoride-free synthesis / Crystal / Membrane |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はフッ化物フリー条件下におけるAlPO4-34結晶および膜の生成範囲の評価を行い、結晶の形成機構の解明に注力した。結晶の合成では、合成ゲルの組成をxAl2O3 : yP2O5 : zSDA : 100H2Oと、合成ゲル中に含まれるAl, P, SDAの割合を様々に変化させ、AlPO4-34結晶の生成範囲を調べた。その結果、Alの割合には大きな影響が見られなかったが、PおよびSDAの割合を変化させることによりCHAのほかにAFI, AEI, APC型の構造を有する結晶が得られた。それぞれの合成ゲルのpHを調べたところ、比較的に酸性条件下にてAFIが混晶、また中性からアルカリに近づくにつれ、AEI、APCが混晶することが分かった。膜合成の場合についても同様の合成ゲル組成にてAlPO4-34の生成範囲を評価したが、比較的に酸性条件下においてAFIが混晶することは同じであったが、結晶合成の場合に純粋なCHA型の結晶が得られた一部の合成ゲル組成において膜合成の場合はAENの混晶が見られた。本研究では、種結晶を用いた水熱合成法にて膜を合成しているが、種結晶がそのまま成長すると仮定すると結晶合成の場合と比較して膜合成では生成範囲が広くなるのではないかと予測していたが、予測とは異なる結果であった。これらの結果より、本研究において膜の形成は種結晶がそのまま成長する機構ではなく、一部の種結晶が合成ゲル中に溶解し、特異的なCBU(Composite Building Unit)を形成することにより、形成する結晶構造が異なるのではないかと考えられる。また結晶および膜合成におけるAlPO4-34の生成範囲を評価した結果、結晶形成の極初期段階にて-Al-O-P-の6員環構造ができているのではないかと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、フッ化物フリー条件下におけるCHA型アルミノフォスフェート(AlPO4-34)の合成と膜化を目的としており、本年度は種々の異なる組成を有する合成ゲルを用いて結晶および膜を合成することにより、AlPO4-34の生成範囲を明らかにした。また結晶形成の極初期段階において-Al-O-P-の6員環構造が生成しているのではないかと示唆される結果を得ることができた。しかしながら、結晶合成において純粋なCHAが生成する組成の合成ゲルを用いても、膜合成ではAENの混晶がみられることから、結晶と膜とで形成機構が異なるのではないかといった当初の予測とは異なる結果も得られている。また次年度に得られた膜の透過分離性能を評価するために蒸気透過分離装置および浸透気化分離装置の整備も行った。 以上のように研究計画をおおむね順調に進展させることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
フッ化物フリー条件下における結晶形成および膜形成機構の解明は次年度も引き続き行っていく。本年度の検討で6員環の存在が結晶形成において重要なファクターとなり得ることが示唆される結果が得られているので、その6員環構造の有無を直接的あるいは間接的に証明できるよう評価を行うとともに、得られた膜の透過分離性能の評価および合成条件の最適化を並行して行う。
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Causes of Carryover |
当該年度の10月より所属研究機関が変わったため。
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