2017 Fiscal Year Research-status Report
高アスペクト有機修飾ベーマイトアルミナの連続合成技術開発
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17K14855
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
藤井 達也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究員 (50711800)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高温高圧水 / 超臨界水 / ベーマイト / 有機修飾 / 高アスペクト比 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでに高温高圧水を用いて有機修飾ベーマイトロッドをone-potで合成する技術を開発した(ベーマイトはアルミナの一種)。さらに、このベーマイトロッドを素材として利用し、フレキシビリティ・絶縁性を持ちポリイミド/アルミナ系で最高水準の熱伝導率を有する絶縁複合膜を開発した。しかし、この素材を実用化するためには、連続化技術の確立が課題である。現在バッチ式で10分以上かけて合成を行っているが、連続プロセスの小型化・省エネ化に向けて処理時間を短くすることが求められる。本研究では、まずバッチ式反応器で温度や圧力を操作因子として実験を行い、短時間でベーマイトロッドを合成できる条件を明らかにする。さらに、その結果に基づいて連続装置を作製し、連続化により制御可能となるパラメータを含めて連続合成プロセスの最適化を目指す。 平成29年度、本研究では、前述した目的を達成するために、メカニズムを明確化していくとともに連続プロセスに適した反応条件を明らかにするために、まずはバッチ式反応器を用いて、温度・圧力条件を操作因子として実験を行った。得られた生成物を分析することによって、結晶成長や有機修飾の挙動を明らかにすることができた。これにより、どのような条件で素早く粒子成長でき、かつアスペクト比を大きくできるかを明らかにできた。この定量的データに基づいて、どのような条件(温度、滞留時間等)で実験できるように連続装置を作製すればよいかを明らかにすることができ、平成30年度の開発の指針を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した実施計画通りに条件依存性の検討を行い、各種パラメータが及ぼす影響を定量的に把握でき、連続装置の作製の基となるデータが得られたため。連続装置自体は作製途中であるが、必要な設備等は準備に入っており、全体として順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に得られた条件を踏まえて連続装置を作製し、連続的に高アスペクト有機修飾ベーマイトを合成できるようにする。順調に進めば、ミキサー種を変えて混合状態を変えた実験等を行い、連続系における技術的因子の影響を明確にすることで、連続プロセスの最適化へ向けた指針を得ることを目指す。
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Causes of Carryover |
回分式反応器での実験や分析に使用する消耗品が想定よりも少なく済んだことと、連続装置の作製の本格的作業を翌年度に持ち越したため。翌年度は連続装置の開発を行うため配管部品や実験消耗品を多量に使うことが予想されるためその購入に使用する。また、得られた成果を公表するために必要な経費として使用する予定である。
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