2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel acceptorless dehydrogenative aromatization reactions by supported metal catalysts
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17K14860
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金 雄杰 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (00761412)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 金属ナノ粒子触媒 / 脱水素 / 酸化反応 / 芳香環形成反応 / 分子状酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、担持金属触媒による新規アクセプターレス脱水素芳香環形成反応の開発を目的とした。前年度は担持Pdナノ粒子の脱水素能を利用した (1)シクロヘキサノンによるアンモニアのアリール化反応、及び(2)シクロヘキサノンオキシムの選択的第一級アニリンへの変換反応の開発に成功した。本年度は、引き続き担持金属ナノ粒子触媒による脱水素芳香環形成反応を検討すると同時に、担持ナノ粒子触媒の新たな酸化触媒作用を検討すべく、これまでに達成できなかったアルコールによるアミドのN-アシル化反応をターゲットにして研究を行った。種々の担持金属ナノ粒子触媒を用いて上記ターゲット反応を試みたが、反応は全く進行しなかった。しかし、Cu/TMEDA/N-oxyl(TMEDA = teramethylethylendiamine)触媒系を用いると、反応が効率よく進行することが明らかとなった。Cu/N-oxyl系によるアルコール、アミンなどの酸化反応は古くから知られているが、従来法では主にピリジン系の配位子が用いられている。本研究ではアミン系の二座配位子であるTMEDAを用いることにより反応効率が著しく向上することを初めて見出した。本反応系は幅広い基質適用性を示し、種々のアルコールとアミドから高い収率で対応するイミドを与えた。また、酸素を酸化剤とし、水のみを副生成物とすることから非常にクリーンなイミド合成法である。このように、従来注目されなかったアミン系の配位子をCu/N-oxyl系に用いることにより、今後高効率酸化反応開発への幅広い応用が期待できる。
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Research Products
(9 results)