2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of artificial extracellular matrix for differentiation from pluripotent stem cells to skeletal muscle progenitor cells
Project/Area Number |
17K14865
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
眞下 泰正 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (20707400)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨格筋前駆細胞 / CPP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である、多能性幹細胞から骨格筋前駆細胞を高収率で作製する方法の確立には、多能性幹細胞から中胚葉系細胞、中胚葉系細胞から骨格筋前駆細胞への2つの分化決定を制御する必要がある。本研究では、前者の制御に深く関わりのあるヒストンH3K27の脱メチル化と、後者の遺伝子発現ネットワーク制御における主役のひとりであるMyf5転写因子に着目し、前者の制御のためにH3K27脱メチル化を主導するKDM6bタンパク質を、後者の制御のためにMyf5転写因子タンパク質を、それぞれ組み換えタンパク質として用意して細胞外から作用させることを目指している。 令和2年度は、Myf5、KDM6bのそれぞれのタンパク質を細胞外から作用させるために必要な効率的な細胞内導入を可能とするcell-penetrating-peptide(CPP)の検討を行った。CPPの検討では、一般的なTATペプチドに加え、アニオン性CPP(SAP(E))、エンドソーム脱出能を有するCPP(L17E)の3種類の機能評価を行った。また、機能評価のため、それぞれのペプチドのN末端に緑色蛍光タンパク質(EGFP)を遺伝子工学的に融合した組み換えタンパク質を用意した(L17Eを融合したEGFPは大腸菌発現段階で蛍光能を喪失しており作製に至らなかった)。評価の結果、TATにおいて最も高い細胞内導入能が観察され、SAP(E)では殆ど導入が観察されなかった。CPP機能は結合する末端によりその機能性が大きく左右されるほか、ペプチド単独で用いず融合して用いていることからリンカー等の調整が必要である。今後は融合する末端(C末端)の検討やリンカー長の検討をしていく。また、ポジティブコントロールとしてペプチド単独の機能評価を行う必要がある。
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