An experimental and numerical study on CFRP lightning damage considering shockwave effect

2018 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 17K14881
• Research Institution: Japan Aerospace EXploration Agency
• Principal Investigator: 平野 義鎭 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 主任研究開発員 (90425786)
• Project Period (FY): 2017-04-01 – 2020-03-31
• Keywords: 複合材料 / 航空機 / 雷撃 / 損傷 / 衝撃波 / 可視化 / 画像相関法

Outline of Annual Research Achievements

CFRPの避雷時に発生する衝撃波によって加わる機械的荷重による材料の変形を実験的に取得し，その雷撃損傷に与える影響を明らかにすることを目的として，インパルス電流発生装置を用いた模擬雷撃試験を実施し，避雷するCFRPの面外変形挙の高速DIC (Digital Image Correlation: 画像相関法)による測定法を確立した．
昨年度実施した予備試験では，特にピーク電流値の高い高エネルギーの雷電流をCFRPに印加した際，供試体のボルト締結部からのアークが発生することにより，それが有害光となってDIC計測が適切に行えない課題があった．これに対し，供試体を固定する治具の改良と，高輝度なプラズマ照明の導入，暗室などを用いた試験セットアップの最適化により，有害光の影響を受けない模擬雷撃時のDIC計測法を確立した．
これにより，SAE ARP5412Bに定められるComponent A波形の波高値を40kAから200kAの範囲で変化させた場合の，CFRP供試体，LPS(雷撃保護の金属メッシュ)を適用したCFRP供試体, および航空機用AL合金供試体の3種類の供試材における高速DICによる面外変形応答の取得に成功した．
その結果，AL合金とCFRPで面外変形挙動が大きく異なり，AL合金の場合は高次と低次の振動モードが重ね合わされた複雑な振動応答を示すことが明らかとなった．またCFRP供試体の場合は，材料自体の持つ高い減衰特性に起因して，早い振動収束性を示すことを示した．

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

昨年度に引き続き，部署異動の影響により年度前半における研究活動を十分に行うことができなかったことから，必要な実験データを蓄積するだけの試験回数を重ねることができず，昨年度の遅延を完全に回復できていない．高速度カメラを用いた高速DICによる雷撃損傷時の面外変形挙動の取得については，計測方法の確立を完了しており，最終年度には十分なデータを取得できる見込みである．

Strategy for Future Research Activity

高速度カメラを用いた高速DICによる雷撃損傷時の面外変形挙動の取得について，追加実験の実施により，雷電流の強度による影響，および供試材料による影響の比較検討に必要となる実験データの取得を行う．
また，面外変形の詳細な解析を行うことによって，衝撃波の圧力の影響する範囲の時刻歴変化を明らかにする．また，一昨年度にシャドウグラフ法を用いて実験的に取得した衝撃波の伝搬挙動との相関を明らかにする．衝撃波電波挙動の可視化については，必要に応じて追加実験を実施予定である．
更に，衝撃波により供試材料に加わる荷重履歴を，衝撃波の伝播速度と圧力の2変数で表される数値モデル化を用いることにより，FEMによる逆解析によって同定する．

Causes of Carryover

昨年度に引き続く経営管理部門への人事異動の影響により，年度前半における外部機関における長期出張を伴う試験を実施することが困難であった．そのため，一部予定していた試験を次年度に先送りすることとしたため，次年度使用額が生じることとなった．
最終年度においては，現時点ですでに研究部門への異動が完了しており，当初スケジュールへの復帰および目標達成に必要となる十分な研究時間の確保が見込まれる．未使用となった資金については，本年度未実施となった外部実験の実施費用，および成果発表を行う学会参加のための費用として使用する予定である．