2017 Fiscal Year Research-status Report
IoT技術導入による複数工場間連携プロジェクトの設計に関する研究
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17K14882
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
満行 泰河 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (40741335)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 船舶建造プロセス / 離散イベントシミュレーション / 計画・設計・生産システム |
Outline of Annual Research Achievements |
船舶建造工程における生産効率の向上と需要変動への頑健性を目的とした、複数工場間での適切な業務連携の在り方について検討するための研究開発を行っている。具体的には、複数工場間での作業分担や情報共有、部材の輸送などを設定した業務連携プロジェクトを定義し、外的要因や精度に起因する不確実な遅延や手戻りを考慮可能なモンテカルロ離散イベントシミュレーションを用いて定義した業務連携プロジェクトを評価することで、どのような業務連携が効果的かを検討する。さらに、開発したモデルを用いてIoT技術導入によって得られる各工場の作業状況に関する情報をどのように共有すれば効果的かについて検討することで、IoT技術導入を用いた高度なレベルでの工場間連携や効率的な業務連携の在り方について検討する。 本年度は、仮想的な造船所の一部のプロセスと一般的な情報システム開発プロセスを対象に、プロジェクト内の業務に対するモニタリングシステムがプロジェクト全体にどのように影響をあたえるかを評価するためのモニタリングシステムのモデルを構築し、モニタリングシステムの精度と頻度が対象とした造船所のプロセスにどのように影響するかを検討するケーススタディを行った。また、モニタリング情報を処理する管理者のプロジェクト内での配置によって与える影響を評価するケーススタディを行い、導入インパクトの高いモニタリングシステムと管理者の適切な配置について定量的な検討を行うことができることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的では、複数工場間での適切な業務連携プロジェクトを対象としているが、必要なモデルの開発を一般的な情報システム開発プロセスを用いて行い、開発したモデルを用いて複数プロジェクト間での業務連携プロジェクトの評価が行えることを示した。また、仮想的な造船所プロセスに対するケーススタディも実施しており、追加で組み込みが必要となるモデルについても検討することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
造船所の業務プロセスでキーとなる部材のモデルを構築し、実際の造船所のデータを用いて業務を再現する。また、開発したモデルを用いて複数造船所間での業務連携プロジェクト評価のケーススタディを行う。
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Causes of Carryover |
今年度は主にモデルの開発に注力したため、実際の造船所の業務プロセスを対象とするのは次年度とし、そのために必要な機器・PCなどの購入は次年度に繰り越すこととした。
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